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稲城市3月議会一般質問の報告②~非正規公務員~ [市議会]

2回目は「非正規公務員の労働条件の改善について」報告します。


2.非正規公務員の労働条件の改善について
(1)非正規公務員の人数について
①市長事務部局に属する正規職員の職員数と、正規職員以外の職員の雇用形態毎の実人数と常勤換算数を聞きます。
→平成28年3月31日現在で正規職員は460人、フルタイム再任用職員は5人になります。
→正規職員以外の職員は、短時間再任用職員と再雇用職員は15人、専務的非常勤職員等は102人、臨時職員は237人です。
→常勤換算では、正規職員の労働時間を1日7時間45分とすると、短時間再任用職員と再雇用職員は11.9人分、専務的非常勤職員等は93.3人、臨時職員は94.4人となります。
→非正規職員の男女の数は、短時間再任用と再雇用職員は男性14人で女性1人、専務的非常勤職員等は男性10人で女性92人、臨時職員は男性13人で女性224人となります。
→課毎の職員数は(※以下の表)となります。
030501.jpg

②教育委員会事務部局に属する正規職員の職員数と、正規職員以外の職員の雇用形態毎の実人数と常勤換算数を聞きます。
→平成28年3月31日現在で正規職員は60人、フルタイム再任用職員は1人になります。
→正規職員以外の職員は、短時間再任用職員と再雇用職員は8人、専務的非常勤職員等は72人、臨時職員は169人です。
→常勤換算では、正規職員の労働時間を1日7時間45分とすると、短時間再任用職員と再雇用職員は6.6人分、専務的非常勤職員等は62.8人、臨時職員は60.8人となります。
→非正規職員の男女の数は、短時間再任用と再雇用職員は男性8人、専務的非常勤職員等は男性13人で女性59人、臨時職員は男性24人で女性145人となります。
→課毎の職員数は(※以下の表)となります。
030502.jpg

③業務の中での非正規職員の位置づけを聞きます。
→短時間再任用職員は地方公務員法第28条の5による市の退職職員の再任用となり、その知識や技能を生かしながら業務に従事しています。
→専務的非常勤職員は地方公務員法第3条3項3号に定める特別職の非常勤職員です。法的には特定の学歴・経験を必要とする職で、自らの学識や経験に基づき公務に参画する職員をいいます。業務内容としては、特定の知識や経験を要する職務に限った任用であり、所属部長の専決事案の範囲内における業務に従事しています。
→臨時職員は地方公務員法第22条2項と5項による臨時的任用職員で、短期又は季節的な業務に従事するという性格を考慮して必要に応じて配置しています。緊急の場合又は臨時の職に関する場合において6ヶ月を超えない期間で任用され、正規職員の補助的な業務に従事しています。
<解説>
 公務職場における非正規職員の労働条件について、官制ワーキングプアなどと呼ばれ改善が求められています。稲城市の実態について明らかにし、公務職場から格差の是正を行うことを求める立場から質問しましました。
 市長事務部局では、正規職員465人に対して、非正規は実数で354人、常勤換算数で約200人になり、常勤換算で見ると全職員の3割が非正規職員となります。また、専務的非常勤職員と臨時職員は圧倒的に女性の方が多いのがわかります。課毎では児童青少年課と子育て支援課に多いのは学童と保育所の職員が含まれていて、特に学童はほとんどが非正規職員で運営されている実態があります。
教育委員会部局では非正規の人が圧倒的に多くなります。正規職員61人に対して、非正規は実数で249人、常勤換算数で約130人になり、常勤換算で見ると全職員の約7割が非正規職員ということになります。課毎では生涯学習課と指導課が多くなります。生涯学習課は各公民館の窓口や事務がほとんど非正規に置きかえられていますし、指導課では教員補助員や特別支援の補助員や学校図書館活性化推進委員はほぼ全員非正規ですので、その分のボリュームが大きくなっています。なお、学校給食課の給食調理員の人は3月末になる前に契約が終了するので、この数には入ってきません。約100人の臨時職員が給食調理場で働いていますが、数え方によっては統計にも表れないという実態もあります。
 臨時職員は正規職員の補助だということで明確にしていますが、地方公務員法第3条3項3号の特別職非常勤職員、いわゆる専務的非常勤職員の位置づけがあいまいです。地方公務員法3条ではすべての公務員は一般職か特別職に分けると書いています。そして、第3条の3項で特別職をいくつか分類をしています。私のような地方議員や市長、副市長、教育長はこの中で指定をされていますが、その第3条3項3号の中で特別職のひとつとして「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」となっていて、これが特別職非常勤職員、いわゆる専務的非常勤職員の任用根拠になっているわけです。特定の学歴や経験に基づいて働いているという名目なら、それに見合った待遇をしなくてはならないのに決してそうはなっていないことに、非正規公務員の大きな問題があるのではないでしょうか。

(2)労働条件について
①非正規職員の雇用形態毎の労働条件について聞きます。
→短時間再任用職員の勤務時間は1日6時間、週30時間、雇用期間は年度単位です。給与は市条例で定められた金額を支給しております。
→専務的非常勤等については代表的な一般事務を基にすると、勤務時間は1日6時間45分、週5日勤務を原則とし、雇用期間は年度単位です。給与は、報酬月額15万6100円です。
→臨時職員は、勤務時間は1日8時間以下かつ週30時間未満で、雇用期間は6ヶ月を超えない範囲を基本として、1回にかぎり任期の更新を行います。給与は、代表的な一般事務を基にすると時給940円です。
→専務的非常勤職員の平均的な就業年数は4年1ヶ月です。勤務成績により契約の更新を行うことができますので、複数年同一職場で雇用する場合があります。
→臨時職員の雇用状況については、再度の任用の更新はできません。ただし、同一の方が採用の時に再度申込がされて採用されるケースはありますが、自動的に継続して任用するのではなく、改めて審査した後に採用しております。
②非正規職員の雇用形態毎の時間外手当、休日手当、期末手当、退職手当の支給状況について聞きます。
→短時間再任用職員は時間外勤務手当、休日勤務手当、期末手当を支給しています。専務的非常勤職員等と臨時職員は時間外勤務手当、休日勤務手当を支給しています。退職手当について、どの雇用形態でも支給しておりません。
→専務的非常勤職員は、条例で定められた報酬を支給することとなっているので、退職手当を支給しておりません。臨時職員の退職手当については、市で定めがないため支給しておりません。
→時間外勤務手当については、適切に支給しております。
③正規職員(行政職(一))の平均給与月額に基づいた平均年収について聞きます。
→正規職員の平均年収は634万2694円です。
→職種に応じた平均年収の開きは、職種ごとの法的な位置づけや役割が異なるためであると認識しています。
<解説>
 非正規の職員も、雇用形態毎に報酬、勤務時間、雇用期間が違います。原則的には1年単位の契約ですし、また臨時職員は法的には再度の雇用はできないことになっています。しかし、実態的には専務的非常勤職員が同じ職場で長期にわたって働いている現状があります。臨時職員についても、名目上は1年以内の契約で改めて採用を検討することになっていますが、実際には同じ職場で10年以上にわたって臨時職員として働いている人もいるという状況です。
 雇用形態毎に支給される手当も違うということです。正規職員の年収は平均で630万円ですが、専務的非常勤職員が月額15万6100円で働くと年収約187万円、臨時職員が時給940円で週29時間フルに働くと年収約141万円です。年収でこれだけ差がついているのに、それをどう考えるのかということになるのです。
 市の答えは正規職員と専務的非常勤職員と臨時職員はそれぞれ違うと、だから収入に差があってもいたしかたないということです。ここで問題になるのは、基本給の違いだけではなく、支給内容の違いです。正規職員には期末手当も退職手当も支給されるのに、専務的非常勤職員や臨時職員には支給されない。この事を巡ってあちこちで裁判も起きています。
 九州のある自治体の図書館で33年間特別職非常勤職員で働いていた方が退職金を求めて起こした裁判があります。福岡高裁は判決で、特別職に該当するかどうかは「専門性を有することは当然のこととし、その専門的な学識や知識等を、常時ではなく、随時ないし臨時業務に役立てるという状況にあるかどうかが重視されなければならない」として、正規職員と同じように勤務をしている状況ではそもそも「特別職」という枠に当てはめるのが間違っていると原告勝訴の判決を出しています。われわれ議員や市長や教育長、また学識経験者として何らかの委員や顧問に就く人を特別職にするというのは納得できますが、普通に定時に出勤して、指揮命令関係に置かれて、成績などによって能力が判断されるような働き方をしている人をいつまでも特別職扱いにすること自体に無理が出てきているのではないでしょうか。
 また、時間外勤務手当は適切に支給しているとのことですが、市のある子ども関係の職場では非正規職員の時間外手当については一応認められているが、それは保護者会などのいわゆる決まった行事のものだけで、日常的な業務の中で残業を認めてもらえないとのことでした。スタッフの人数も足りなくて、やむを得ず作業が終わらない時は家に持って帰って持ち帰り残業をしているそうです。時間外勤務はしないにこしたことはありませんが、明らかに人手が足りなくて作業が終わらない場合には正規であろうと非正規であろうとちゃんと残業を認めて、必要な労働には必要な報酬を出すべきです。こういった恣意的な時間外勤務手当の取り扱いについては改めるべきであると求めました。

(3)非正規公務員の労働条件の改善について
①非正規職員の労働条件や待遇改善についてこの間の市の取り組みを聞きます。
→短時間再任用職員については、平成28年度東京都人事委員会勧告に基づいて勤勉手当の年間支給月数を0.05月分増額しています。
→臨時職員については、最低賃金引上げの決定に伴って一般事務等の時給を910円から940円改定しています。
→専務的非常勤職員の労働条件や待遇改善については、今後の国や都、近隣市の状況を注視していきます。
②非正規職員に対して正規職員と同じように各種手当を支給すべきと考えるが認識を聞きます。
→正規職員と非正規職員を必要に応じて設置しており、多様な雇用形態による人員を確保しながら、最適な組み合わせによる効率的かつ機能的な人員配置を行っていきます。そのため、それぞれ法的な位置づけや役割が異なり、現時点では適法な支給と考えていますが、国の働き方改革の一環として検討している同一労働同一賃金の動きも含めて注視していきたいと考えています。
③非正規職員の正規職員化について認識を聞きます。
→非正規職員を正規職員化することは考えておりません。
<解説>
 非正規職員の賃金について一定の改善はされています。しかし、東京都の最低賃金が932円で、臨時職員の時給が940円です。最低賃金のギリギリの線で行くのではなく、ちゃんと生活ができるだけの賃金が必要ではないでしょうか。そして、同じ働き方をしているのなら、少なくとも手当の支給については同じものにすべきではないでしょうか。
 2005年の稲城市の人口は74,887人で、10年後の2015年は87,828人と117%増加しています。市の職員は2005年は503人で、2015年も503人になっています。一時期落ち込んでいた職員数が、この数年少し増やしてきてようやく500人を超えましたが、人口は10年間で1割以上増えています。結局、足りない部分を非正規の人が穴埋めをしています。こういった非正規職員の抜本的な労働条件の改善、業務内容に応じた正規職員の配置が必要であると求めました。
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