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稲城市議会6月議会報告~公共施設におけるブロック塀の状況について~ [市議会]

 本日の稲城市議会福祉文教委員会で、「公共施設におけるブロック塀の状況について」が報告されました。
ブロック塀調査1.jpg

 経過としては、6月18日の大阪北部地震発生後、19日に一斉点検が指示されて、市が管理している86施設でブロック塀の有無とその状況について調査をした結果、7か所でブロック塀が確認されて、そのうち5か所が建築基準法に不適合の状況が確認されたとのことです。
 その一覧は以下の表の通りです。
ブロック塀調査2.jpg

 報告に対する質疑で、「改善策を早急に検討する」「『適合』となった塀についても精査をする」などの答えがされました。
 私は以下の質問をして、答弁がされました。
山岸:不適合となった場所について保護者や子どもたちへのお知らせはどうするのか?
市 :学校長や保育園長と相談しながら、通知も出して安全対策などを踏まえた案内を出します。
山岸:今回は市が管理する施設の調査だが、通学路についても調査する必要がある。子どもたちの通学路は学校が指定をした道を歩いている。私有地も含めた通学路の危険個所について再度の安全点検を行うべきではないか。必要ならPTAや自治会の協力も仰いで行うべき。
市 :通学路の指定は学校なので、安全管理については学校と教育委員会の責任で行います。その際にはPTAなどの協力ももらっていきます。私有地でのブロック塀などの危険物については、情報の共有や安全管理の指導・お願いをしていきます。

 日本共産党は、この報告がされる前に市長宛てに「要請書」を提出していました。
ブロック塀要請書.jpg
 
 私自身もPTAで通学路の事について関わる立場なので、学校とも協力して子どもたちの安全確保を行っていきます。
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稲城市議会6月議会一般質問報告3~大丸都営跡地、平尾団地建替、オスプレイ横田基地配備~ [市議会]

一般質問報告の3回目は、3つの項目についてまとめて報告します。

3.大丸都営団地跡地の福祉利用による福祉の街づくりの推進について
(1)大丸都営団地跡地の利用計画について
①当該用地において保育園として利用する土地の場所を聞きます。
→大丸都営アパート跡地のうち、市道大丸2017号線に接する東南角地を予定しています。
②保育園整備以外の跡地の利用計画について聞きます。
→保育園整備以外の今後の利用計画については、東京都より現在のところ未定と聞いています。
(2)保育園の整備計画について
①事業者公募から決定までのスケジュールを聞きます。
→9月に公募を行い、書類審査後に事業者によるプレゼンテーションを実施して、12月末までに事業者を決定する予定です。
→公募前に住民説明を行う予定です。住民説明会は、8月の平日と土日の2日間で開催を検討しています。説明会の案内について、近隣住民に開催通知を配布し周知していく予定です。
②公募条件について聞きます。
→保育定員を222人以上とすること、園庭を整備すること、児童福祉法等の法令と保育所方針を遵守すること、延長保育を実施することなどを条件とする予定です。
→その他に、東京都内又は近県で既に認可保育所を運営する法人、2020年4月に認可保育園を開設できることなどを条件に公募する予定ですので、社会福祉法人に限定して公募する予定はありません。
③事業者決定以降のスケジュールを聞きます。
→事業者決定以降は、稲城市と東京都で土地賃貸契約を締結し、その後に稲城市と事業者で土地賃貸契約を締結します。事業者は東京都への認可申請と並行して、設計、建設工事を行って2020年4月に認可保育所の開設を予定しています。
→市としては、事業者決定後も2020年4月に開設できるように事業者と各種調整を図っていきます。
<解説>
 大丸都営団地跡地への認可保育園整備計画が進んでいます。保育園計画の着実で早急な実施を求めるとともに、高齢者や障がい者のための福祉施設を整備することで福祉のまちづくりを進めることを求めて質問しました。
 大丸都営団地の跡地については全部で1万6千平方メートルの土地のうち保育園部分が4500平方メートルなので、約1万平方メートル部分が利用未定として引き続き残っていることを確認しました。
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 そして、保育園の開設にむけても公募前住民説明会を行うということが明らかになりました。8月に行われるという事で、私はこの都営アパート跡地の保育園利用については全市民的な関心事となっているので、説明会の案内については市広報を使うなど幅広く行うべきではないかと求めました。答弁は住民に案内を配布するというものでしたが、実際に案内が出された際には多くの皆さんに参加をしてもらうために、私も情報を広げたいと思います。
今後のスケジュールについては、12月末の事業者決定の場合、そこから建物設計、工事着工、竣工、各種検査までを考えるとスケジュール的に相当タイトではないかと思います。2020年4月に開設ができるように事業者決定後も市として必要に応じて支援を行っていくべきではないかと市の対応を求めました。

(3)周辺の保育園について
①第4保育園の運営や改修に関する今後の計画について聞きます。
→第4保育園の今後の計画については、待機児童の状況や保育所整備計画の進捗状況などを考慮の上、現在検討しているところです。
②第6保育園の耐震補強工事に関する今後の計画について聞きます。
→第6保育園の耐震補強工事については2019年度に実施設計、2020年度に耐震補強工事が、東京都により実施される計画となっています。
→保育事業の継続等については指定管理者と協議を行っていきます。
<解説>
 第4保育園に関する答弁で重要なのは、第4保育園を継続していくことを明言しなかったことです。今、最も重要なのは認可保育園の定員をしっかり確保することです。第4保育園の定員が114人です。仮に都営アパート跡地に220人規模の保育園ができたあとに、第4保育園を閉鎖してしまえば、保育定員は純増で100人しか増えないことになります。これでは今求められている、待機児童対策としては不十分ではないでしょうか。
 また、もう一点重要な点があります。仮に、第4保育園の閉鎖と都営アパート跡地への新たな私立保育園の開設を同時に行い、第4保育園の園児を新しい保育園に移すということであれば、それは公立の第4保育園の民営化と同じことになります。稲城市は平成25年1月18日の福祉文教委員会で「稲城市立第二保育園・稲城市立第二学童クラブ・稲城市立第一児童館民営化ガイドライン」を定めるにあたって、その目的として「市と保護者が民営化への基準を定め、民営化に対する保護者の不安を解消して円滑な移行を図るとともに、民営化後も、質の高い保育サービスを安定的に提供できるよりよい事業者の参入を図ることを目的としています」と説明としています。
 第2保育園の民営化の際にはここまで丁寧に進めたのに、第4保育園に関しては保護者に全く関与する余地を与えずに民営化を進めるというのであれば、あまりには差がありすぎるという批判は免れないのではないでしょうか。当然ながら、大丸都営跡地の新保育園と第4保育園の今後は別物であり、機械的に第4保育園の閉鎖や民営化などは行うべきではないということを指摘しました。
 また、第6保育園の耐震補強工事は来年に実施設計、再来年開始ということです。工事実施中の第6保育園の保育事業継続については、当然市が責任もって対応すべきであります。指定管理を受けている法人も様々な負担を負うことになります。これから協議をしていくということですが、早急な対応を求めました。

(4)大丸都営団地跡地の福祉利用について
①当該地の福祉利用について、これまで市が都に働きかけてきた内容を聞きます。
→平成23年に東京都から意見照会があった際、高齢者福祉施設の建設用地としての貸与、住宅のバリアフリー化および福祉のまちづくりの推進、障害者グループホーム等による利用に関する協議について要望しました。平成26年には、稲城市長が東京都を訪問して、都営団地建て替えに伴う創出用地の活用について要望しています。また、毎年、南多摩ニュータウン協議会を通して要望しています。
②当該地については介護施設や障害者施設などの福祉利用を進めるべきで考えるが認識を聞きます。
→福祉施設などへの活用も含めた構想提案について、包括的な視点から庁内で検討し、東京都へ要望しています。また、今後も要望していきます。
<解説>
 跡地の福祉活用については、基本的な立場を再確認しました。これまでも要望してきたし、これからも引き続き福祉施設活用を都に要望していく事を求められます。それについては、立場は変わらないという答弁でした。私たちも同じ立場です。子育て世代、高齢者世代、障がいをお持ちの方々、様々な人たちが集えるような総合的な福祉コミュニティーを都営跡地に作ることは多くの市民が望んでいます。これからも福祉のまちづくりを進めるため、大丸都営跡地の福祉利用について求めていきます。

4.平尾分譲住宅建て替えによる団地再生について
(1)平尾分譲住宅建て替えのこれまでの経過について聞きます。
→平成25年10月に建て替え推進決議がなされ、管理組合と市の話し合いを実施してきました。その中で、建て替えによる創出用地において商業街区としての土地利用を検討するに当たり、既存の団地商店街などの地区を含めて地域の住民の意見もふまえて整理するために、まちづくり協議会が設立されてまちづくり構想の検討が進められています。
(2)平尾分譲住宅建て替え終了までの今後のタイムスケジュールについて聞きます。
→現在、建て替え決議に必要な住民合意に向けた整理を行っている段階です。建て替え終章までの期間は10年以上と想定していますが、具体的なスケジュールは示されていません。
→工事開始までの大きなステップとしては、建て替え決議、組合設立認可、その後に権利変換計画の認可を受ける必要があり、その他、様々な作業や手続きを経過して工事開始という形で進められると認識しています。
(3)平尾分譲住宅建て替えが成功するための市としての関わり方について聞きます。
→まずは、区分所有法に定める住民の合意を得ることが必要となります。市としては、建て替え計画案の策定など、住民の合意形成を図るうえで必要な作業への指導・助言など、団地再生の円滑な推進に向けた、管理組合への支援に努めていきます。
<解説>
 平尾分譲住宅の建て替えについて、まちづくり協議会での話し合いが進んでいます。建て替えが成功するために、市として長期的な視点で関わることを求めて質問しました。
現状では、建て替え推進決議がされてから5年が経過し、ようやくまちづくり構想の具体的な検討段階に入っていますが、まだまだ10年以上はかかるという事です。
 市としても支援に努めていくということですが、10年以上かかる建替え工事を成功させるためには、これから論議される第5次長期総合計画の大きな検討項目になるのではないでしょうか。長期計画そのものはこれからの議題になりますが、市全体の課題として考えて支援を行っていくためには長計に盛り込んでいくことは重要であると考えます。平尾団地の建て替えについては、先ほどの雨水排水施設のことなど様々な課題がありますので、これからも取り上げていきたいと思います。

5.オスプレイの横田基地配備について.
(1)横田基地へのオスプレイ配備の現在の状況について認識を聞きます。
→国の報道発表によりますと、米国政府は横田基地へのオスプレイの配備については、平成29年に発表したスケジュールを変更し、平成30年夏ごろに5機のオスプレイを配備するとともに、今後数年間で段階的に計10機を配備するとの予定を発表しました。
→オスプレイの飛行コース等については、国においても不明であると聞いています。
(2)オスプレイの横田基地配備について反対する意見表明をすべきであると考えるが、市長としてその認識を聞きます。
→今回のオスプレイの配備に関しては、平成30年5月25日の東京都市長会の全体会において、基地周辺5市1町が国へ要請している範囲内で、同内容を重ねて要請することとなり、平成30年5月29日付で東京都市長会として国へ要請しています。
→市では引き続き、「横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会」における国への要請を見守るとともに、東京都市長会を通じて対応していきます。
<解説>
 4月3日、在日米軍が突如として横田基地へのオスプレイ配備を前倒しする計画を発表して、4月5日には住宅街の上を飛行しながらオスプレイが到着しました。オスプレイについては、3年前の2015年第2回定例会の一般質問で取り上げました。その時から状況は悪化の一途をたどっています。トラブルが連続し、沖縄の海では墜落事故までおこしました。トラブルが続き、事故率の極めて高い危険な戦闘機の都内への配備に絶対反対を求めて質問しました。
 この横田基地に配備されるオスプレイはどういう物なのか、しんぶん赤旗の6月8日付の記事によると、米軍嘉手納基地にある特殊作戦部隊に所属している機体だということです。戦闘地域での攻撃目標の支持や兵員の救出を行う部隊で、敵基地を攻撃するときに重要な役割を果たすものです。日本の安全や防衛とはまったく無関係な、アメリカの行う先制攻撃の拠点に東京都の横田基地がされようとしています。さらに、部隊の性格上、暗闇に紛れて気づかれずに敵地に侵入することができるように、日常的に夜間や低空での飛行訓練を行うことが必要となってきます。国会の答弁などでも横田基地周辺で、離着陸、人員降下、物量投下、編隊飛行、夜間飛行を予定していることが明らかになっています。
 そのような状況で、今後、オスプレイが当市の上空を飛行する可能性があるのかどうかも重大になってきます。しかし、答弁は「飛行ルートは国でも不明だ」ということです。軍事機密を建てに、肝心の日本国民にはまったく教えてもらえません。
 アメリカ本土でオスプレイの低空飛行訓練区域を新たに作るために環境評価を行った資料が公開されています。「時速約400キロで、高度150~300メートルを5時間、夜に飛行する」「夜に低高度で敵地に入り、地上部隊を投入、補給、撤収するための能力を育成する」という極めて危険なで環境に対する影響も大きいものです。周辺住民から「野生動物や畜産農家の家畜に深刻な影響を与える」「オスプレイに事故はつきものだ」「不動産価値が下がってしまう」などの反対意見がよせられてこの計画はストップをしているようであります。なんで、牛や馬に深刻な影響を与える訓練が、人間の住んでいる住宅密集地で許されるのか。国民の命と財産を守る立場に立つのなら、こういう危険な訓練を行うような部隊を横田基地に配備するなど絶対にするべきでないというべきではないでしょうか。
 市の答弁は「市長会で要請している」ということでした。この要請文書は、以下の通りです。
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配備反対とは言っていませんが、少なくとも安全対策や環境への配慮を行うことを求めています。
今回、市長会として要望を出していたのは知っていたので原文を知りたくて調べたのですが、なかなか出てきません。市のホームページで検索をしても、まったく出てこない。最終的には近隣の日野市のホームページに、市長会として要望をしましたというコメントと一緒にこの要請文が公開されていました。これはそういうことでいいのかな、と思います。
 要請の事実とその内容について稲城市としても何らかの広報をすべきではないでしょうか。ちなみに、稲城市のホームページで「オスプレイ」を検索すると、3年前の私の一般質問と今回の私の一般質問が出てきます。これでは、稲城市の行政や議会の中でオスプレイについて考えているのは日本共産党の山岸ただ一人だけだ、となってしまうのではないでしょうか。市としてもちゃんと対応をしているという事は明確に示すべきではないでしょうか。
 日本共産党はこれからも、市民の暮らしと命を守っていくためにも危険は軍事兵器であるオスプレイの横田基地への配備と訓練の実施に絶対反対を求めていきます。

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稲城市議会6月議会一般質問報告2~雨水排水対策について(平尾、押立、南山高盛土工事~ [市議会]

一般質問の2回目の報告は、雨水が振った後の排水対策についてです。

2.安心して暮らせる街をつくるための雨水排水対策について
(1)3月9日未明の雨について
①3月9日未明に降った雨の、時間当たり最大雨量や降水量等について聞きます。
→最大1時間雨量は3時から4時にかけて36ミリでした。降水量は3月8日8時から翌9日8時までに160.5ミリでした。
→10分間あたりの雨量は以下の通りでした。
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②3月9日未明の雨に伴う消防隊の出動状況について聞きます。
→床下浸水2件(東長沼・大丸)、地下車庫への浸水1件(押立)、道路冠水1件(矢野口)、土砂崩れ1件(坂浜)の5件の水防活動に出場しました。
<解説>
 この間、短期間に大量の雨が降った際の雨水による浸水被害などが市内の各地で起きています。特に今年の3月9日の夜明け前に降った雨は市内の各地で様々な被害がおきました。この3月9日の雨で起きた被害を中心にしながら、市民が安心して暮らせる街にするために抜本的な雨水排水対策の強化を求めて質問しました。

(2)平尾近隣公園での雨水流出について
①3月9日未明の雨で平尾近隣公園からの雨水流出による、周辺地域へ与えた影響と住民から寄せられた苦情等について聞きます。
→平尾近隣公園から雨水と土砂が流れ出して、平尾住宅団地内通路や駐車場などに土砂が堆積しました。住民からは、雨水や土砂の対策を要望されております。
→6月9日の深夜の雨でも同じような状況を確認しています。
→平尾近隣公園は東京都住宅供給公社による一体的な宅地開発事業の中で整備された公園であり、地域全体の地形上の課題もあることから、地域全体で雨水や土砂対策の改善に取り組むことが大切であると考えています。今後は地域の方々と共に周辺の設備なども含めて調査を行って、対策の検討をしていきます。なお、これまでの対策は土嚢の設置や、排水溝の清掃を行ってきました。
→流出した土砂の清掃については、必要に応じて市としても実施していきます。
②平尾近隣公園に設置されている雨水排水設備の種類と数について聞きます。
→排水管、排水溝、集水ますが設置されています。今後はこれらの設備の点検や清掃など、維持管理に努めていきます。
→公園東側には隣接の団地内通路に横断グレーチングが設置されており、団地や公園の雨水を一体的に通路内で処理できるようになっています。これらの設備の今後については、今後の団地建て替えを議論する中で検討をしていきます。
③平尾近隣公園の成り立ちや、市に管理運営が移管された経過について聞きます。
→昭和40年代に平尾住宅と一体的な宅地開発事業が行われ、その中で整備されました。昭和56年に管理運営が市に移管されました。
<解説>
 平尾団地では、団地内の近隣公園から雨水と一緒に土砂が流れ出して、下の方の駐車場や道路にたまってしまっています。3月に続いて、6月9日の雨でも大きな被害が出ています。市の管理する公園のからこのように連続して被害が起きており、早急な対応が求めて質問しました。
 6月10日に土砂が積もっている状況を市民の方と一緒に調査しましたが、ひどい状況でした。泥が5センチから10センチたまってしまい、車の車体の下やタイヤに泥がこびりついています。泥が乾くと車に貼りついてしまうので、すぐに落とさなくてはいけない。落とした泥がまた溜まって処理に困るような状況となってしまいます。
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※平尾団地内の土砂堆積の状況(6月10日撮影)

 管理組合に対して住民から苦情が入り、市の公園から出た泥なのに管理組合の予算を使って清掃作業をせざるを得ないような状況です。管理組合の方からは「なんで市の公園から出た泥を落とすのに管理組合がやらなくてはいけなんだ」「市としても何らかの責任を果たしてほしい」という声が率直も出されました。少なくとも市の公園から流出した土砂の清掃については、市としても管理組合に協力しながら対応すべではないかと求め、答弁としても「必要な清掃を行っていく」というものでした。後日談ですが、管理組合が清掃をして集めた泥が45リットルのゴミ袋で15袋にもなってしまい処理に困っていたので、「清掃は市が行うと言っているので、処分も市にやってもらったら良いんじゃないでしょうか」とアドバイスしたら、すぐに市の方が引き取ってくれたという事です。この点については、すぐに対応をしてくれて良かったです。
 しかし、大きな問題は既存の排水管や排水溝では対応できず、実際に雨水が溢れて、泥が流出してしまっていることです。根本的な対応を考えないと、対処療法では限界があることは明らかです。市の下水道プランは平成24年から平成33年までの10年計画ですが、その中での雨水排水対策は、南山の区画整理地域しか想定をされていません。だから、他の地域の整備はまったく手が付けられていません。下水道プランは残り3年ですが、区画整理地域だけを対象にするのではなく既存市街地の抜本的な雨水排水対策について検討をするべきではないかと対応を求めました。
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※稲城市下水道プラン

 また、公園内の一部の集水ますから分譲団地内の排水管に水が流れるようになっています。市の管理する公園の施設の一部が分譲団地内の民有地の下水管につながっていて、そこに水が流れるようになっています。公園の建設当時は一体的に整備をされていかもしれませんが、今は違います。市の管理する設備が民有地の設備につながっているのを、そのままにしておことは問題です。この点については、平尾団地の建て替えを検討していく中で、市が管理する近隣公園と団地内の民有地が直接つながっている雨水排水設備については管理責任も明らかにして、なんらかの形で解消をしていくことを求め、答弁としても「今後、検討していく」というものでした。

(3)押立地域の市道279号線付近での浸水被害について
①3月9日未明の雨による市道279号線及び周辺地域での浸水被害状況について聞きます。
→市道279号線沿線の住宅で、道路より低い地下車庫が浸水した事案が起きました。
②くろがねや駐車場からの雨水流出の改善状況について聞きます。
→くろがねやの駐車場から市道に雨水が流出していることは確認しています。市としては市道279号線に集水桝および雨水排水管を一部増設する工事を実施しています。
→くろがねやについては、店舗の建設にあたって市より申し入れを行い浸透施設の設置などの一定の対策を講じてもらっています。平成30年5月に再度、雨水対策について申し入れを行い、雨水浸透施設などの清掃を実施すると聞いております。
→押立地域の浸水被害については、地形上の課題もあることから、地域全体で浸水被害に対する改善に取り組むことが大切であると考えています。
③当該地域における浸水被害を防ぐために抜本的な対策が必要と考えるが、今後の対応も含めて認識を聞きます。
→抜本的な対策については、公共下水道の雨水計画を策定し計画的な施設整備を図ることが考えられますが、多額の事業費や長期の整備期間を要するなど課題があります。当面の間は暫定的な対策として、集水桝や排水管の清掃や土嚢の設置など、現場状況に合わせた対応を図っていきます。
→沿道の民有地の方々にも、地形的な課題を認識していただき、大雨の際には自らの排水対策をなどについても講じていただきたいと考えております。
→現在のところ、多摩川洪水ハザードマップは作成しておりますが、雨水排水の危険個所を示す地図などを作成する予定はありません。
<解説>
 押立の4中裏の地域については、2017年の第3回定例会での一般質問で質問しました。これまでもたびたび、道路が冠水をして敷地内に雨水が侵入してくることが報告されています。市民の声、住民の声に耳を傾けて、住民の側を向いて対応することが求められるのではないでしょうか。
 私の前回の一般質問での答弁ではくろがねやの雨水排水設備については、平成17年の建設当初に浸透桝や浸透トレンチなどが設置されているが具体的な排水対策量は不明だという答えでした。そこで、まずはくろがねやの浸透施設の排水対策量について、市の責任で調べて適切な施設なのかどうかを把握するべきではないかと求めました。また、水を浸み込ませる浸透施設以外の留貯留槽などの水をためる施設の設置を強く指導し、最低限くろがねやの駐車場から市道に水が漏れでないように隙間をふさぐなど対策すべきであると対応を求めました。
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※駐車場から流出する雨水

 しかし、その答えは「地形上の課題もあって全体で考える必要がある」というものです。私はくろがねやから雨水を漏らさない対策について質問しているのに、なぜそれが地域全体の課題になるんでしょうか。建設当初に一定の対策を講じているかもしれませんが、はっきり言ってそれがまったく役に立っていないから問題になっています。住民の皆さんだって自衛手段を講じたり、排水溝の清掃などにも協力をしてくれていますが、それを超えて問題を大きくしているのがくろがねやからの排水なわけです。
 駐車場に傾斜がかかっていて、市道279号線に隣接している浸透枡付近に雨水が集まるようになっている。ところが、そこにまったく水が浸み込まないので、あふれた雨水がすべて市道の方に流れ出し、下流の住宅街の方に流れていくようになっていくわけです。どれだけ清掃をしても、浸透桝では求められる役割を果たし切れていないのは明らかです。ここをあいまいにして、とにかく全体の問題として考えましょうでは、話の筋が違うのではないでしょうか。くろがねやからの雨水排水については、まずは敷地内で処理ができるように市として排水施設の見直しを求めるべきであると対応を求めました。
 住民の皆さんは、既に様々な自衛をされています。自宅の駐車場に水が入ってこないように、すきまをふさぐなどの対処をして、排水溝の清掃などにも協力をしてくれています。しかし、突然夜中の3時とか4時に雨が降られたらとてもじゃないけど、対処のしようがありません。だからこそ、市に何とかしてほしいと声をあげられているわけです。この声にどのように答えていくのかが問われていのではないでしょうか。住民の皆さんとの話し合いの中で、「自らの対策についても講じていただきたい」なんて言ったら、「とっくに講じているよ」と怒られちゃいます。
 根本的な解決は平尾の排水対策の時に述べて、図らずも市も答弁の中で言ったように計画的な雨水管の整備が必要であり、南山区画整理地域だけに限定した現在の下水道プランでは市民の声に答えきれないのではないでしょうか。
 市は、住民の皆さんと話し合いはしていくということです。間違っても、「皆さんも自衛手段を講じてください」などという切り口で話さずに、まず何が望まれていて、どうしてほしいのかについてしっかりと耳を傾けてほしいと思います。この地域の問題は今後の雨水排水対策を考えるにあたっても、重要な試金石になるのではないでしょうか。私自身も地域の皆さんの声をしっかりと聞いて、これからも取り上げていきたいと思います。

(4)南山の根方谷戸高盛土工事現場から雨水流出について
①3月9日未明の雨で根方谷戸高盛土工事現場からの雨水流出による、よみうりランド通り及び周辺地域へ与えた影響と住民から寄せられた苦情等について聞きます。
→よみうりランド通りをはじめ、三中通りや弁天通りなどの周辺度往路に土砂を含んだ雨水が流出したことにより、宅地内にも土砂が堆積する被害が発生し、近隣住民の皆さまに多大なるご迷惑をおかけいたしました。組合では作業員により、ランド通りの土砂撤去作業を開始するとともに、清掃業者を手配し高圧洗浄車による清掃を行いました。
②流出が起きた原因について聞きます。
→流出の原因としては、3月9日の未明に短時間に基準を超える降雨が断続的に発生し、排水管の継手が急激な水圧により破損したことから、仮置きされた土砂を洗い流し、仮設調整池を超えて下流域まで流出したものです。
→「基準を超える降雨」については、3月9日の3時から4時にかけては1時間雨量は36ミリでしたが、4時から5時にかけて断続的に10分間に10ミリの降雨が記録されており、これを時間当たり降雨量に換算すると60ミリとなり、公共下水道整備計画の目標とする時間当たり降雨強度50ミリを超える降雨が発生したと認識しています。
→2016年8月22日の台風9号で発生した土砂堆積については、市は組合に対して再発防止策を図るよう指導を行い、組合はこれを受けて仮調整池の容量を1万平方メートルに増やすとともに、仮設排水管等を整備しました。
→「工事施工管理第三者委員会」での土砂流出および工事中の排水管理については、本委員会は盛土工事が造成工事検討委員会や施工検討委員会の答申が確実に反映されていることや、答申した定数等が満足されているかを確認することを目的に設立されたことから、議論はされていません。工事中の雨水排水対策や管理については、事業協力者である企業により工事工程ごとに対策を検討し、排水施設の整備や管理を行っています。
→現在、組合では樹木の伐採や仮設排水管の設置を行い、盛土区域内の雨水を排水するための導水管の整備を進めています。今後、盛土工事に着手していくことになりますので、市としては施工管理第三者委員会により現場確認を行うとともに、適切な施工管理が確認されるものと認識しています。
③流出を起こさないための今後の対策について聞きます。
→今回の雨水流出の発生を受け、直ちに原因の究明と再発防止対策の検討を組合に指示しました。組合では、短時間の居所的降雨にも対応できるよう、仮設調整池の容量をこれまでの約1万立法平方メートルから約1万5千立法平方メートルへ増強するとともに、排水管の継手を補強して確実に仮設調整池へ雨水を集水できるよう仮設水路を増強することとし、これあらの対策については5月に完了しております。
→南山東部区画整理事業では、区域内に新設される道路等には雨水管を敷設するとともに、東側区域には約1万7千立法平方メートルの調整池を整備していきます。市としては、再発防止に取り組むように組合に対して引き続き指導監督していきます。
→南山東部区画整理事業における盛土造成工事については、関係法令や基準を順守し許可を得て工事を実施することに加え、学識経験者による意見による施工管理などを行い、安全対策を講じ施工しています。市としても、宅地造成に係る監督官庁である東京都と連携し、盛土工事が適切かつ安全に施工されるよう組合を指導していきます。
<解説>
 3月9日の雨による影響では、根方谷戸高盛土工事現場からの土砂流出は平尾や押立の地域に比べても、はるかに広範囲にわたって大きな影響となりました。区画整理組合が自らの責任で清掃処理にあったこという異例の対応が、事の重大さを表しているのではないでしょうか。
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※歩道に広がった土砂

 土砂があふれた原因は、基準値を超えるほどの雨が降って、それでパイプが破損して調整池を超えて溢れたという事です。これまでの私の質問に対して1時間あたり50ミリの雨に対応できるように整備しているという事が言われてきました。最初の答えでは、3時から4時に36ミリ降ったのが最大値です。50ミリを超えていません。この「基準を超える降雨」の具体的な数値はどういうことなのか聞きましたが、その答弁は驚くべきものです。時間当たりは50ミリになっていないけど、10分刻みで10ミリを超えていて、それが重なったからだということです。
 これではあまりにも脆い、脆すぎます。
 あれだけ大規模な工事を行い、山の地肌があらわになるような状況を作っておきながら、10分間に10ミリを超える雨が降ったらそれで壊れてしまうような設備では危険すぎるのではないでしょうか。
しかも、1時間当たり降水量ではなく10分刻みで10ミリを超えたので6倍して時間当たり60ミリに相当したのでやむを得なかったというようなものです。そういう計算をするなら、同じような状況はこれからいくらでも起きてしまいます。基本的な防災計画や下水道計画の基準を、1時間当たり降雨量から10分当たり降雨量へと変えるということになるのでしょうか。この考え方については重要な点だという事を指摘したいと思います。
 私は2016年9月の第3回定例会一般質問で、2016年8月22日の台風9号の通過後に三中通りに同じような土砂の堆積があったことについて質問しています。土砂の量は今回よりは少なかったけれど、状況はほぼ同じです。この時の市の答えは「根方谷戸川から溢れた水が流れたことは確認しているが、工事との因果関係は検証していない」というものでした。この時に内容を検証し、必要な対策を取っておけば同じ状況を繰り返さなかったのではないでしょうか。
 ここで、重要なのは「工事施工管理第三者委員会」の役割です。2016年12月の第4回定例会一般質問で、私が「平成19年の造成工事検討委員会答申書においては、盛土内に滞水させないことが重要であることから、雨天時には施工しないこととなっている。この点をどのように担保するのか」という趣旨で質問したら、その答弁は「造成工事検討委員会では、盛土内に滞水させないことが重要であることから、雨天時には施工しないことや、排水を確認してから施工を再開するなど、盛土内の排水管理に十分留意することとしている。組合では、この答申内容に基づき、今後、盛土造成工事を実施していく」「答申に基づき、雨天時には工事施工しないこととしているので、具体的な基準や条件は施工管理第三者委員会の意見を伺いながら検討していく」というものでした。具体的な土砂流出云々は言っていませんが、少なくとも雨天時の排水管理については施工管理第三者委員会が議論すべきものではないでしょうか。そもそも、何度も指摘しているように高盛土工事そのものが通常と桁外れの工事であり、それを安全に実施させていくのが第三者委員会の役割です。これだけ地域に影響を与え、一歩間違えれば大事故にもつながったような状況を起こしたのだから、ここで第三者委員会が役割を果たさないといけないのではないでしょうか。
 2017年9月の第2回定例会一般質問で、私の「記録的短時間大雨情報や線状降水帯などの近年の大雨リスクについての対応状況はどうなのか」「仮設の調整池の対策量は大丈夫なのか」という質問に対して、市は「盛土造成については、近年発生した大雨のケースを想定して完成後の安全性を確認している。施工中の大雨の対応は、仮設調整池を適宜設置、大型土のうや圧送ポンプなどを現場に配置させ、迅速な対応を図れるよう態勢を整えている」という答えでした。近年発生した大雨のケースを想定しているとしながら、実態は時間当たり50ミリにもならない雨でも大量の土砂流出を発生させているわけです。
 2016年8月の土砂流出で1アウト、今回の土砂大量流出で2アウトです。周辺の住民にとっては1回起きただけでも困りものなのに、2回も起きています。3回目は起こしてならないし、もし起きるようなら工事に根本的な欠陥があると言わざるを得ない状況になります。危険な工事はしてはならないし、危険な物は作ってはならない。もし危険な状況があるなら、即刻工事を中止すべきです。市全体の雨水排水対策とは別に、この髙盛土工事については今後も注視をして取り上げていきます。
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※山肌が露わになっている高盛土工事現場
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稲城市議会6月議会一般質問報告1~介護保険事業計画について~

平成30年(2018年)第2回稲城市議会定例会の一般質問を6月14日に行いました。
今回は「介護保険」「雨水排水対策」「大丸都営跡地の福祉利用」「平尾団地建て替え」「オスプレイの横田基地配備」の5点について質問しましたので、3回に分けて報告をします。
今回は、介護保険制度について報告します。

1.ひとりひとりの高齢者が大切にされる介護保険制度に向けて
(1)認知症対策について
①第7期介護保険事業計画における認知症対策の内容について聞きます。
→認知症初期集中支援チームの推進、認知症コーディネーターの推進、若年性認知症の施策、認知症サポーターの要請、認知症の人とその家族への支援、認知症ケアパスの活用を軸に推進しています。
→「認知症の治療を早期に行う」ことと、「認知症になっても暮らしていけるまちづくり」を広げることは、どちらも認知症施策として推進しています。
→市が公費により認知症高齢者の加害事故に対する補償や給付を行うことについては、現時点では導入を考えていません。
②認知症となったご本人が様々な形で情報発信することが、認知症の理解を広げることにもつながると考えるが認識を聞きます。
→認知症の当事者が、本人の意思によって、認知症に関する体験などを情報発信することについては、認知症の理解を広げるための1つの手段であると認識していますが、具体的な施策や方法については現在検討していません。
③「徘徊」という呼び方を使わない自治体が増えてきているが、稲城市においても検討をすべきと考えるが認識を聞きます。
→「徘徊」という呼び方を使わずに、別の言葉に置きかえることについては現在検討していません。
→認知症の方や家族にとってやさしい街をつくっていくことについては、すでに取り組んでいます。
<解説>
 第7期介護保険事業計画がスタートしました。ひとりひとりの高齢者が大切にされ、必要な時に必要なサービスが受けられる介護保険制度を求めて質問しました。
 認知症対策については、すでに市も様々な内容で取り組んでおり、私もそれぞれ大事な内容であると思っています。それをふまえて、今回は少し視点を変えて質問しました。
今、高齢者の皆さんとお話しをすると、認知症になることはまさしく人生の終わりであり、なんとか認知症にだけはならないようにしたいと話される方が本当に多いです。私自身も医療機関で働いていましたので、認知症の早期の診断や適切な治療、援助などが必要だというのは十分理解をしています。しかし、現在の医療技術では認知症の症状を緩和したり遅らせたりすることはできても、治すことはできないのが現状です。いかに認知症にならないようにどれだけ予防活動をしても、一定の割合で誰でもが認知症の症状を発症するのは避けざるを得ないのではないでしょうか。「認知症にならない」「認知所の治療を早期に行う」ことも大事ですが、それ以上に「認知症になっても暮らしていけるまちづくり」というものを広げていく必要があるのではないでしょうか。
 この間、社会的に問題となっているのが認知症となった高齢者の方が事故にあったり、自らが加害者となって事故を起こすという事件がおきていることです。有名なのは、認知症の方が電車にはねられてしまい、それに伴う列車遅延等の損害賠償が遺族に求められた裁判などがあります。結果としてはこの裁判では遺族に対する賠償責任は無いという判決が出されました。相手が会社などではなく個人同士の事故で被害者がなんらかの損害を負ってしまった時に、加害者が認知症なので仕方ないですねとはなかなかなりません。かといって、認知症の人はいつ事故にあったり、事故を起こしたりするかもしれないから家に閉じ込めておけばいいということになれば、まさしく「認知症になっても暮らしていけるまちづくり」とは逆行していくのではないでしょうか。
 例えば、神奈川県大和市では認知症の方は市が保険料を全額負担して個人賠償責任保険と傷害保険に加入することができるという全国初の独自支援を開始しています。愛知県大府市では個人賠償責任保険加入を支援する「認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」が4月から施行されていますし、神戸市も「認知症の人にやさしいまちづくり条例」の項目として認知症の人による事故の加害者や被害者となった市民を救済する独自の給付金制度の開始を議論しています。神戸市の有識者会議では「認知症事故の加害者だけでなく、被害者となる市民の救済にも重きをおく」ことを議論していると報じられています。
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※2018年3月25日付朝日新聞

 稲城市の場合は南武線の高架化に伴い市内の踏切が無くなって、列車事故などはあまり想定されませんが幹線道路での自動車や自転車などによる加害事故や被害事故は十分考えられます。たとえ認知症になっとしても、ご本人もご家族も安心して暮らしていける施策について、こういった先進的な取り組みを学んでいくことは重要なことではないでしょうか。
 もう一つ、注目をされているのは認知症になった当事者の方が講演会で話しをしたり、自分の気持ちや体験を文章にして発表するなど様々な形で情報発信をしていることです。例えば、医療現場で認知症の早期発見の手立てとして最も活用されている長谷川式認知症スケールを考案した認知症専門の医師の長谷川和夫さんは今年の3月16日の朝日新聞でインタビューでご自身が認知症となっていることを公表して、思いを語られています。「今日が何月何日なのか、時間がどれくらい経過したかがはっきりしないけれど、不便だと感じることはあまりない」「本人が発信することで、『隠すことはない』『年を取ったら誰でもなるんだな』と皆が考えるようになれば、社会の認識は変わる」と述べられています。こういった、当事者の方の様々な思いを発信していくことはやはり重要ではないでしょうか。大勢の前に立って話はできなくても、聞き取りにすることで話しを聞く事もできるのではないでしょうか。こういった取り組みについての検討を求めました。
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※2018年3月16日付朝日新聞

「徘徊」を使わないという事は、どういう事なのか。認知症になったご本人が政策提言などに取り組む「日本認知症本人ワーキンググループ」が2016年に公表した「本人からの提案」の中で、「私たちは、自分なりの理由や目的があって外に出かける」のであって、「徘徊」という表現は適切ではないと訴えています。代表の方は「徘徊という言葉で行動を表現する限り、認知症の人は困った人たちという深層心理から抜け出せず、本人の視点や尊厳を大切にする社会にたどり着けない」と述べられています。新聞記事では厚労省の認知症施策推進室の担当者は「徘徊と言われている認知症の人の行動については、無目的に歩いているわけではないと理解している。当事者の意見をふまえ、新たな文書や行政説明などでは使わないようにしている」と説明しています。
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※2018年3月25日付朝日新聞

 認知症を取り巻く課題を考えていくときに、もっと本人の人権や主権といったものが大事にされるような状況を作っていくことが必要なのではないでしょうか。先の長谷川医師のインタビューでも「特別な病気になった何にも分からない人、だからなんとかしてあげないとかわいそうだ。それはだめ」「何も話さなくなるかもしれない。ご飯を食べなかったり、暴れたりするかもしれない。その時も大丈夫よと言って、その人が好きなものを尊重する」「得意な事をいかして、その人に役割を持たせることも大事」と述べられています。こういった視点を取り入れていくことも、認知症の本人と家族にとってやさしいまちづくりになるのではないでしょうか。
 認知症になったとしても、周囲のちょっとした支えで普通に暮らしていけます。家族やましてや本人が肩身の狭い思いをして暮らしていくことがないような、そんなまちづくりを広げてほしいと求めました。今回の質問は、これまで行ってきた介護保険制度の運用や在り様といったものとは少し違って、認知症についてどういった視点で捉えていくのかということについて質問しました。市とのやり取りは決してかみ合ってはいなかったかもしれませんが、私はこういった視点を取り入れてもらうことも重要ではないかと考えます。第7期計画には載っていない中身ですが、ぜひ様々な形でいかしてほしいと求めました。

(2)「介護予防・生活支援サービス事業」について
①2018年4月現在で同事業のサービスを提供している事業者についてサービス種類別の数を聞きます。
→4月請求分における事業者は、訪問型の給付相当サービスは13事業者、訪問型サービスAは3事業所です。通所型の給付相当サービスは20事業所、通所型サービスAおよびCは11事業者です。
→4月時点で事業している事業者は、訪問型サービスAは12事業者、通所型サービスAおよびCは31事業者です。
→訪問型サービスの事業者数が減少していることについては、事業者が市に対して指定申請を行わなかったことによるものです。理由については、事業者からは法人の方針と聞いています。
②同事業において市民が市外の事業者を利用している状況について聞きます。
→市外の事業者は、訪問型の給付相当サービスは4事業者、通所型の給付相当サービスは5事業者です。
③4月からの制度変更によりサービスの縮小など、利用者に対して不利益な事が起きていないかどうかを聞きます。
→不利益を受けたということは利用者からは聞いておりません。
→市外事業者のサービスは内容変更については、当該事業者の人員体制の都合により送迎の提供を廃止するものであり、市の総合事業の変更によるものではないと認識しています。
→サービス内容等の変更がある場合については、事業者が利用者やその家族に対して丁寧な説明をした上で、利用者の選択により契約においてサービス提供がされる仕組みであり、他事業者へのサービスの紹介や引き継ぎを利用者に納得いただいたうえで行うものであることから、不利益はないものと認識しています。
→引き続き、利用者が適切なサービスが受けられるよう、介護予防・生活支援サービス事業を推進していきます。
<解説>
 第6期計画の中では要支援1・2の人のサービスは給付相当サービスとサービスAやCに分かれていました。第7期計画にする中で給付相当サービスを無くし、サービスAやCに一本化することになり、事業者にとっては給付相当サービスで得られていた単価がサービスAやCになることで目減りをすることになります。サービスの中身はほぼ同じなのに、実質的には収入が下がることになります。
 通所型では第6期では給付相当とサービスACを合わせた事業者は31業者で、第7期開始時点でも31のままです。しかし、訪問型については第6期計画では給付相当とサービスAを合わせて16業者だったのが、第7期開始時点で12業者と、数字だけみれば4業者がサービスから撤退をしていることになっています。
 そういった中で、府中市にあるデイサービスの事業者から市民の方にある手紙が送られてきました。「稲城市保険者の要支援(総合事業)のご利用者様のご案内 平成30年4月より総合事業の変更にともない稲城市総合事業の受け入れを一部行ってまいりましたが、平成30年7月末日を持ちまして、大変申し訳ございませんが利用終了とさせて頂く旨となりました。云々」となっています。この文面の通りですと、制度変更にともなって利用終了となっています。このことについて、市は状況を把握しているか聞きました。その答えが、上記のような中身です。
 2点指摘したのが、まずご本人は納得されていないということです。この府中の事業所のサービスは気に入っていて、できればここに通いたいのに通えない。しかたなく別の所に行くことを検討しているとのことです。利用者の選択とか契約とか言われていますが、経済的に裕福でいくらでも選択肢がある人ならともかく、立場の弱い年金暮らしの高齢者は限られた選択肢しかないことを市は分かっているはずなのに、こういった答弁がされるわけです。
 もう一点は、答弁では「人員体制の都合により送迎の提供を廃止する」ことが理由だということですが、送られてきた手紙には「人員体制」なんて一言も書かれていません。書かれているのは「総合事業の変更にともない利用を終了する」だけです。個別にはいろいろと説明されているようですが、実際と違うような文書は出すべきではありません。利用者に対しては丁寧に説明するというのであれば、こういった不適切な説明がされないように指導監督していくことを求めました。
 この間、市民の方からは別の事業者で同じような話しが寄せられています。これからも必要な人が必要な時に必要なサービスを受けられる制度にしていくために、この問題について取り上げていきます。

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稲城市議会6月議会が始まります。

 6月11日から、第2回定例会(6月議会)が始まります。新年度最初の議会ですので、2018年度予算の具体化に向けた議題を議論していきます。多くの皆さんの傍聴をよろしくお願いいたします。

<3月議会の主な日程>
 11日(月) 本会議(議案説明 等)
 12日(火) 本会議(議案付託 等)
 14日(木) 一般質問
  ~19日(火) ※山岸は14日の11時頃、岡田議員は15日の14時頃の予定
 20日(水) 補正予算委員会
 21日(木) 総務委員会
 22日(金) 福祉文教委員会
 25日(月) 建設環境委員会
 29日(金) 本会議(議案の討論と採決)

<一般質問の項目>
1.ひとりひとりの高齢者が大切にされる介護保険制度に向けて
 第7期介護保険事業計画がスタートしました。ひとりひとりの高齢者が大切にされ、必要な時に必要なサービスが受けられる介護保険制度を求めて質問します。

2.安心して暮らせる街をつくるための雨水排水対策について
 この間、短期間に大量の雨が降った際の雨水による浸水被害などが市内でも起きています。市議会でもたびたび雨水排水対策を求めてきましたが、市民が安心して暮らせる街にするために、抜本的な雨水排水対策の強化を求めて質問します。主に平尾団地の近隣公園、押立の第4中学校裏の地域、矢野口のランド通り工事現場などについて質問します。

3.大丸都営団地跡地の福祉利用による福祉の街づくりの推進について
 大丸都営団地跡地への認可保育園整備計画が進んでいます。保育園計画の着実で早急な実施を求めるとともに、高齢者や障がい者のための福祉施設を整備することで福祉のまちづくりを進めることを求めて質問します。

4.平尾分譲住宅建て替えによる団地再生について
 平尾分譲住宅の建て替えについて、まちづくり協議会での話し合いが進んでいます。建て替えが成功するために、市として長期的な視点で関わることを求めて質問します。

5.オスプレイの横田基地配備について
 4月3日、在日米軍が突如として横田基地へのオスプレイ配備を前倒しする計画を発表して、5日は住宅街の上を飛行しながらオスプレイが到着しました。トラブルが続き、事故率の極めて高い危険な戦闘機の都内への配備に絶対反対を求めて質問します。

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稲城市の保育園待機児童数と保育所整備について [市議会]

本日、市議会福祉文教委員会が開かれ、2018年4月1日現在の待機児童数と今後の保育所整備計画について市から報告されました。
待機児童数については、以下の表の通りとなっています。
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「A」の数字は、認可保育園の入園を希望した子どもから実際に入園できた子どもを引いた数で、「認可保育園の入園を希望したけど入れなかった子ども」の数になります。その数は252人で、去年の4月の254人とほぼ変わらない状況です。今年の4月の時点で90人の定員増をしたのですが、同じ数だけ利用希望者が増えたために入園できなかった子どもの数は2年連続で200人超えとなりました。
 しかしここで重要なのは、Aの数字は正式な「待機児童数」にならないということです。Aの数字から「B」の「除外対象」と呼ばれる数を引いた、「C」の数が正式な「待機児童数」とされています。

 なぜなのか?市の説明では、Bの除外対象の項目は「受け皿として用意されている待機児童対策」なので、「この項目の数字については待機児童数から除外できる」できるというものです。これは国の基準によって決められている項目ですが、これの存在によって待機児童の実態がとても不明確になってしまいます。
「認可保育園を希望していて入れなかったので、認証保育所に入った子ども」
「自宅で求職中の保護者の子ども」
「1か所しか申し込まなかった家庭の子ども」
こういった理由の子どもはすべて待機児童数から除外をされてしまい、「行政上の待機児童数」と「隠れ待機児童数」「潜在待機児童数」にギャップが生まれてしまうのです。本日の委員会では、この「1か所のみの申し込み」について質問をしました。

質問:0歳~2歳の低年齢の子どもがいる家庭では、様々な都合で近所の保育園にしか通えない状況というのはやはり起こりうるのではないでしょうか。それなのに、一律に「他が空いているのに申し込まないのは、申し込まない方が悪い」言わんばかりに待機児童から除外するのは、実際に困っている人にとっては納得できないのではないでしょうか。その点について認識を聞きます。
答え:待機児童対策については要望の多い第一地区(矢野口・東長沼・大丸・押立)に重点的に保育所を整備していきますので、それによって市民のニーズにこたえていきたいと考えています。

 微妙に質問に答えていないような内容ですが、これはこの間の経過があります。
 実は2年ほど前にほぼ同じ内容で質問をした時の市の答えは「他に空きがあるのに1か所しか申し込んでいないのだから、待機児童としてカウントしないのは当然です。例えば矢野口に住んでいても、平尾の保育園に通っている人はいるので、ある地域だけを重点的に整備するという考えはありません」という、血も涙もない答えでした。
 この2年間の中で「矢野口や東長沼地域に待機児童が集中している」「矢野口に住んでいて、平尾や向陽台の保育園に通える人は条件が限られている」「安全に通える保育園が必要であり、そのためには矢野口や東長沼に重点的に整備をするべき」と議論を積み重ねてきた結果、今日の委員会のような答えになりました。答えとしてはちょっとした変化ですが、私にとっては感慨深いものとなりました。
 ただ、やはり待機児童の実態があいまいな状況となっていることは変わりません。重要なのは、認可保育園を希望した子どもと入れなかった子どもの実態が明らかになり、最後の一人まで政治が責任を果たしていくことではないでしょうか。待機児童数の問題については、同僚の岡田議員と協力しながら6月の市議会でも取り上げていきます。

 今日の委員会でもう一つ、報告されたのは今後の保育園整備計画です。詳細は、以下の表の通りです。
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 来年は220人、再来年は400人の定員増を計画しているとのことでした。
 一つ気になったのは、認証保育園が認可化する中で園庭の無い保育園が増えてきていることです。
園庭がないために、近所の公園に行くために保育士と子どもたちが住宅街の道路を歩いている姿を今でも見かけます。認可保育園になる中で、定員は増えるけど園庭は引き続きないままというのでは、危険もそれだけ増えるのではないでしょうか。
 待機児童解消は保育の量だけではなく、質の問題についても確認していく必要があります。今回の保育園整備計画については、6月の市議会でも取り上げていきます。今後も早期で着実な保育園整備の実行と、安全で質の高い保育の実施を求めていきます。
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稲城市議会3月議会が終わりました。 [市議会]

 本日、平成30年度第1回稲城市議会定例会(3月議会)が閉会しました。
 日本共産党稲城市議団は市長提案議案23件中13件に賛成し、10件に反対しました。また、議員提出議案1件に賛成しました。
 各議案の議員の賛否については、以下の通りです。(議案名称は一部省略しています)

<総務委員会関係>
〇表彰条例の一部改正 賛成:全員
〇職員定数条例の一部改正 賛成:全員
〇市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対:荒井、藤原、岡田、山岸、榎本、佐々木
〇特別職の職員の給与及び旅費に関する条例の一部改正 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対:荒井、藤原、岡田、山岸
〇教育長の給与及び旅費に関する条例の一部改正 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対:荒井、藤原、岡田、山岸

<福祉文教委員会関係>
〇児童育成手当条例等の一部改正 賛成:全員
〇介護保険条例の一部改正 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸

<建設環境委員会関係>
〇国民健康保険税条例の一部改正 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇後期高齢者医療に関する条例の一部改正 賛成:全員
〇墓地等の経営の許可等に関する条例の一部改正 賛成:全員
〇公共下水道事業の一部に関する業務委託契約 賛成:全員

<補正予算委員会関係>
〇一般会計補正予算 賛成:全員
〇国民健康保険事業特別会計補正予算 賛成:全員
〇土地区画整理事業特別会計補正予算 賛成:全員
〇下水道事業特別会計補正予算 賛成:全員

<予算委員会関係>
〇平成30年度一般会計予算 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇平成30年度国民健康保険事業特別会計予算 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇平成30年度土地区画整理事業特別会計予算 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇平成30年度下水道事業特別会計予算 賛成:全員
〇平成30年度介護保険特別会計予算 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇平成30年度後期高齢者医療特別会計予算 賛成:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、荒井、藤原、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上/反対岡田、山岸
〇平成30年度病院事業特別会計予算 賛成:全員

※動議提案
〇平成30年度一般会計予算の組み換え 賛成:荒井、藤原、岡田、山岸/反対:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦、村上

<その他>
〇東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部変更 賛成:全員

<議員提出議案>
〇政治分野における女性活躍の推進を求める意見書 賛成:全員

<解説>
 来年度の予算案を審議する予算議会が終了をしました。一般質問や予算委員会でのやり取りについては紹介をしてきましたので、そちらをご参照ください。本日の議会では反対した内容についてそれぞれ討論を行いましたので、その中で私が行った介護保険条例に対する反対討論と、岡田議員が行った予算案に対する反対討論について少し長いですが掲載します。

〇「介護保険条例の一部改正」への反対討論
 第10号議案「稲城市介護保険条例の一部を改正する条例」について、反対の立場から討論します。
この議案では、指定居宅介護支援の基本方針についての規定や同事業の人員や運営に関する基準の細目などと一緒に、2018年度から2020年度までの介護保険料について決定する内容となっています。
 介護保険料は基準額を現行の4800円から400円引き上げた5200円とする。所得段階を9段階から12段階に増やし、第5段階以上の人は全て値上げとなる内容です。対象となる人数は約1万1千人、1号被保険者の58%が値上げとなります。
 質疑の中で明らかになったのは、市は当初は値上げをせずに据え置きをすることを提案していたし、それが可能だという事です。2015年度から2017年度の介護保険事業で収入よりも支出が下回ったことでできる黒字分が基金として積み立てられ、2016年度決算時点で7億4千万円を超えています。これを活用すれば、保険料を値上げしないで済むという事です。
 これらの黒字はどういった理由で生み出されのか、それは現在の高齢者の皆さんの健康づくりや介護予防等の努力によって予想よりも介護保険サービスが使われなかったために生み出されたものです。本来であれば黒字が出たなら、保険料を取り過ぎたとして返還したっていいくらいのものですが、そうせずに基金として積み立てられているわけです。市民の努力によって生み出された基金なのですが、今いる市民のために還元をしていくのが当然ではないでしょうか。市も当初はそのような姿勢を取っていました。介護保険の基金がどのようにして生み出され、どういった性格のものなのか、その点はしっかりと押さえておくことが必要ではないでしょうか。
 もう一点、重要な点は介護保険財政の在り方の問題です。この点は、予算委員会総括質疑でも基本的な考えについて質問しました。介護保険運営協議会や市議会でも、現在の介護保険財政の構造がそのまま続くことが前提で、3年後は6千円を超えるとか、6年後は8千円近くなるなどの議論がされていますが、本当にそれでいいのでしょうか。総括質疑でも指摘しましたが、今の介護保険財政の構造は介護保険サービスを使えば使うほど、その半分を介護保険料で賄わなくてはならないので、介護保険料の増大が止まらなくなってしまいます。この根元の部分を変えていかないと、介護保険制度は遠くない時期に行き詰ってしまうのではないでしょうか。
 市民からは特養ホームなどの介護施設の定員増について根強い要望があります。最近聞いたある方の話では、市立病院に入院されている要介護5のご家族が退院を迫られている。老健施設を勧められているがそこは3ヶ月だけで、次の目途が立たない。ケアマネに市内の特養の入所についてお願いをしたら「入るまでに2年は待ちます。すぐに入りたいなら西多摩の方で探した方がいい」と言われたとのことです。大丸都営跡地の活用も含めて新たな施設増設が望まれていますが、今の介護保険の財政構造では施設を1つ作ればそれだけで一気に保険料に跳ね返ってきてしまいます。
 今の状況では「介護保険料を青天井で上げていく」か「介護保険サービスを使える人を極端に絞り込む」かの2択となってしまいます。国が「介護の社会化」という理念で制度を導入したのだから、ちゃんと国が責任を持つべきです。全体の費用のうち国の負担が25%しかないのは明らかに少なすぎます。
 総括質疑でも紹介しましたが、全国市長会が昨年11月に出した国の予算に対する提言では「介護保険財政の持続的かつ安定的な運営のため、都市自治体の個々の実態を考慮しつつ、将来にわたって都市自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう、国費負担割合を引き上げること。また、調整交付金は別枠化すること」と国の対応を求めています。稲城市も「適切な負担です」みたいに答えるのではなく、「現状はともかくも将来に向けては国の対応が必要なんだ」という立場に立つべきではないでしょうか。
 保険料、利用料の値上げをせずに、制度の充実を図り、安心できる制度にしていくためには公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。私たち日本共産党は、国の負担割合を直ちに10%引き上げ、将来的には50%に引き上げることを提案しています。その財源は消費税ではなく富裕層や大企業に応分の税負担を求めることで確保できます。政治を変え、必要な人が必要なサービスを安心して受けることのできる介護保険制度にしていくために、これからも市民の皆さんと力を合わせていく決意を述べて、第10議案に対する反対討論とします。

〇「平成30年度予算」への反対討論 日本共産党の岡田まなぶです。日本共産党稲城市議団を代表して、第15号議案、平成30年度東京都稲城市一般会計予算、第16号議案、国民健康保険事業特別会計予算、第17号議案、土地区画整理事業特別会計予算、第19号議案、介護保険特別会計予算、第20号議案、後期高齢者医療特別会計予算の5件について、一括して反対の立場から討論を行います。
 いま、市民のくらしは、実質賃金の低下、不安定雇用の拡大、相次ぐ年金削減、医療費の窓口負担増などにより、厳しさを増しています。中間層が疲弊し、貧困と格差が広がるもとで、子ども・若者の貧困対策、過労死を生む長時間労働の規制強化、医療・介護の充実など、8時間働けばふつうに暮らせる社会、国民のくらしを支える政治が求められています。日本共産党は、暮らし第一で、貧困と格差をただす改革を掲げて力を尽くします。
 市民からは「保育園の待機児解消」「少人数学級の拡充」「子どもの貧困対策」「安心できる医療と介護」「稲城の自然環境の保全」「iバス・路線バスの充実」など切実な願いがよせられています。
私たちは、稲城市の30年度年度予算案の審議にあたり、市民の厳しいくらしの続くもと、市民の切実な願い実現、暮らし・福祉・教育最優先の予算編成を求める立場で臨んできました。
 30年度予算は、一般会計は345億円、特別会計は257億6777万9千円、合計602億6777万9千円。一般会計は、昨年度の当初予算との比較で、23億6千万円増、7.3%の増となりました。
 予算案に反対する主な理由を5点述べたいと思います。
 第1は、引き続き、深刻な問題となっている認可保育園の待機児解消の問題です。
 私たちは、待機児解消のための緊急対応および認可保育園の新設などの計画的な整備を一貫して求めてきました。4月からの新年度に向けては、受入予定が371人に対して新規の入所申請数は652人。第1次の不承諾は281人に上り、申し込んでも4割ものご家庭が入れないという深刻な状況です。
 日本共産党東京都議団が独自に調べた都内の自治体別の保育園の申込数と不承諾の集計では、多摩地域の自治体で、申し込んだ人のうち4割が不承諾になっているのは、集計した19市の中では2市だけ、そのひとつが稲城市です。  
 市は30年度から4年かけて認可保育園を11園増やす計画ですが、4月の保育園の入園に向けては、最も要望のある0歳~2歳児は41人しか増えていません。緊急対策として一時預かり保育の新たな制度も導入する予定ですが、一時預かり保育については「正式な入園ではないので、園の行事に参加できない」「預かり時間が17時までと決まっていて、それ以上の延長ができない」「保育料が割高」などの声が寄せられています。質疑の中で「保育時間の延長については協議をする」と答弁がありましたが、やはり保育園の定員そのものを抜本的に増やしていくことが必要です。
 4月からも多くの待機児童が予想され、安心して預けられる認可保育園をと求める保護者の切実な願いに30年度予算は応えられていないと言わなければなりません。昨日、私たちは予算特別委員会で「待機児童の緊急対策を求める」予算組み替え動議を提案しました。今、入れない、多くの家庭と子どもたちのために、市として緊急対策を強く求めます。
 第2は、上平尾・小田良土地区画整理事業区域内における多3・4・36号線小田良上平尾トンネル工事、南山の開発など、開発優先の予算の問題です。
 多3・4・36号線トンネル整備工事予算は、3年計画の2年目の工事として、6億2752万7千円が計上されています。このトンネル整備工事は、もともと、上平尾と小田良土地区画整理事業、それぞれ民間の組合の開発事業として計画されてきた工事を、事業の実施時期の違いなどを理由にして、市施工に変えて、大きな財政負担をともなって行うというもので、組合で負担すべき工事費を市税で肩代わりするような問題であると私たちは指摘してきました。しかも、道路の全線の開通時期は未定な中で、トンネルの工事をなぜ急ぐのか。市の開発最優先の姿勢が問われます。
 土地区画整理事業特別会計は、13億2103万6千円となっておりますが、このうち市の一般会計からの繰り入れは11億円に上り、引き続き大きな財政負担となっています。
 南山の開発では、稲城の貴重な自然環境を残してほしいと願う市民のもとで、貴重な自然環境を失う民間の丘陵地開発事業に総額で20億円、新年度予算でも8770万円に上る補助金の支出となっています。また、南山開発の40メートルを超える高盛土の造成工事は、東日本大震災後、安全なまちづくりが重要な課題となっています。市民のいのちと安全を守る立場に立った対応を引き続き求めます。
 市施行の4地区の区画整理事業については、非常に長年にわたる事業となる中で、権利者皆さんのくらし、そして人生にもかかわって、大きなご苦労とご心配をおかけしていると思います。権利者の声をしっかり尊重して取り組んでいくことを求めます。
 第3は、国民健康保険税の値上げです。さきの第6号議案「稲城市国民健康保険条例の一部を改正する条例」の反対討論でも述べてきたとおり、今回の税率等の改定によって、多くの加入者の国保の保険税が値上げとなり、大変厳しい暮らしが続く中での国保税を値上げする予算に反対するものです。
 「低所得者が加入する医療保険なのに保険料が高い」という国保税の重い負担は全国で大きな問題となり、「国保の構造問題」として、全国知事会・全国市長会などの地方団体も国に解決を求めています。市民のいのちと健康を守る稲城市として、国保の構造的な課題の解決に向けて、しっかり取り組むことを求めます。
 第4は、介護保険の保険料値上げの問題です。
 さきの第10号議案「稲城市介護保険条例の一部を改正する条例」の反対討論で山岸議員が述べてきたとおり、介護保険料の基準額を4,800円から5,200円に引き上げ、1号被保険者の58%、約万1千人が値上げとなるということで、その予算に反対するものです。
 現在の介護保険は、サービスの利用が増えたり、介護職の労働条件を改善すれば、ただちに保険料・利用料の負担増に跳ね返るという根本矛盾をかかえています。保険料・利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や基盤の拡充を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅に増やすことが必要です。市としてもこの姿勢に立って取り組むことを求めます。
 第5は、後期高齢者医療制度の保険料値上げの問題です。30年度は、東京全体で1人当たりの平均保険料は、年額9万7127円で、(9万5492円)1635円1.7%の値上げとなります。実態としては、公的年金収入217万円以上の高齢者(約31%)は保険料が下がります。一方、低所得の人はじめ、約69%以上の高齢者の保険料は値上げになります。厳しいくらしのもとでの値上げに反対します。
 後期高齢者医療制度は、2年に1度、保険料を見直しますが、高齢者が増え、医療費が増大すれば、保険料が上がるという問題点を抱えています。私たちは、元の老人健制度に戻すことを国に求めます。
 次に、改善や充実を求める事業について、6点ほど述べておきたいと思います。
 第1は、iバスです。昨年の3月27日より新路線がスタートしました。ちょうど一年になります。昨年の10月には過去最高の乗車人数となったということで、市民の大切な足として親しまれています。高齢化が進むもと、地域でいきいきと暮らしていくために、iバスは大切な事業です。23区には都バスがありますが、多摩地域にはありません。iバスのいっそうの充実に向けて、多摩26市の連携もして、東京都にiバスの運行補助を求めていっていただきたいと思います。
 第2は、小中学校特別教室のクーラー設置です。小学校12校の理科室にクーラー設置を行うということです。引き続き、他の特別教室へのクーラー設置に向けた検討を求めます。
 第3は、要保護児童準要保護児童就学援助費です。31年度に入学する小学生102人、中学生140人分の新入学学用品費が計上されたことは大きな前進です。この間、様々な形で対応を求めてきたことの反映です。これからも子どもたちがお金の心配をしないで学ぶ環境を作っていくための施策を求めます。
 第4は、公園駐車場の使用料です。歳出駐車場管理用1,900千円、駐車場管理委託20,930千円。36,000千円の収益を見込む予算です。
 市民からは「市内公園の駐車場料金が1時間を超えると200円となり利用しにくい。1時間まで無料だが、スポーツ施設の利用や子どもの公園遊びの時など、1時間以内では終わらないことがほとんどである。平日はかなり利用者の少ない駐車場もある。利用の少ない平日など値下げしてほしい。」「無料の時間を延長してほしい」こうした声が寄せられています。市民の皆さんが利用しやすいように、「平日の無料化」「無料時間の延長」などの検討を求めます。
 最後に、30年度予算の個別の事業についてですが、多くの事業が、市民のくらしを支え、切実な願いを実現するために、職員の皆さんの努力のもと、取り組まれています。
 保育士宿舎借上支援事業、受験生チャレンジ支援貸付事業、第3中学校の大規模改修等工事、稲城中央公園野球場駐車場改良工事、住宅リフォーム補助金、住宅用創エネルギー機器等導入促進事業補助金など多くの大事な事業に取り組まれていると思います。
 しかしながら、30年度予算案は全体として、開発優先の予算編成であり、反対するものです。
 地方自治体の仕事は、地方自治法が示しているように、福祉の増進です。日本共産党稲城市議団は、子どもから高齢者まで生き生きと暮らせる、くらし第一の稲城市政に向けて、積極的な提案も行って、開発優先から、くらし・福祉・教育最優先の市政への転換を求めて、引き続き、力を尽くす決意を述べて、討論を終わります。
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稲城市3月市議会予算委員会報告 [市議会]

来年度の予算審議も大詰めをむかえ、残すは最終日の討論のみとなってきました。
私は福祉文教分科会の委員として、福祉や教育関係の予算について質疑を行いました。
また、総括質疑として予算全体の事についても何点か質問しました。
様々な内容についてやり取りをしたので、特徴的な項目について抜粋して報告します。
今後の議会日程は3月27日に予算委員会の報告が行われ、28日の最終日に全議案の討論と採決が行われます。

1.市税収入について
①市税収入の前年度予算との比較状況について聞きます。
→個人市民税は均等割(人口数に課税)は約1億54百万円で2百万円増としています。所得割(年間収入に課税)は約66億79百万円で21百万円増としています。
→法人税は均等割(法人数に課税)は約1億9千万円で1千万円増としています。法人税割(年間利益に課税)は約3億98百万円で79百万円の増としています。
②個人市民税と法人税の増額から読み取れる市民の暮らしの状況や、市内での商売の状況に対する認識を聞きます。
→個人市民税の均等割については、納税義務者数が808人増えることになり人口数が増加してきています。所得割については、一人あたりの平均課税額が前年度は15万261円なのが今年度は15万963円としており、暮らしの面からも改善傾向にあると考えています。
→法人税については企業規模を大手企業と中小企業に分けて前年度と比較すると、大手企業は22%伸びているのに対して、中小企業は37%の伸びとなっており市内の中小企業の業績が伸びていると考えています。
<解説>
 市長は2018年度に向けた施政方針で「日本経済は引き続き緩やかな回復基調にあると言え」ると述べました。それでは、実際の市民の生活や暮らし、市内の経済の状況についてどのように認識をしているのかを、市税収入をひとつの判断材料として質問しました。
 確かに個人市民税は前年比0.3%の微増、法人税は17.9%の増となっています。その中身を見ると個人市民税は人口が増えているために増加をしており、一人あたりの平均課税額は微増となっています。今後、国民健康保険や介護保険などの社会保険料の負担が増え、年金の支給額などが削減される見通しの中で、まだ改善を実感できる状況にはなっていないのではないでしょうか。
 また、法人税については企業の数が増えているのと、中小企業の業績が伸びているとのことです。消費税の増税が来年10月にひかえている中で、市民の消費動向に大きな影響を受ける中小企業の商売を支えていくことも求められるのではないかと思います。

2.介護保険財政について
①介護保険財政の基本的な構造について聞きます。
→介護給付費の負担割合は自己負担利用料の分を除いたうちの半分を被保険者の介護保険料で賄い、残りの半分が公費となっています。公費のうち半分が国が、残りの半分ずつを都と市がそれぞれ負担しています。
→この負担割合については、介護保険で必要なサービスを行っていくための適正な負担であると認識しています。
②全国市長会などは国への予算要望で「保険料負担を減らすために、国庫負担を増やすべき」と求めています。稲城市も同じ立場に立つべきと考えるが認識を聞きます。
→まずは介護予防事業等により元気な高齢者を増やして、介護給付費そのものを増やさないことが重要であると考えています。
国の負担については、調整交付金などについて法定分の全額を確実に支給してもらうことなどを東京都市長会では東京都を通して要望しており、今後もそのような立場で行っていきます。
<解説>
 今回の議会では介護保険料の値上げについても議案が出されています。既に福祉文教委員会で私だけが反対して賛成多数で可決されていますが、根本には介護保険財政の構造的な問題があります。介護保険サービスを使えば使うほど、その半分を介護保険料で賄わなくてはならないので、介護保険料の伸びが止まらなくなってしまうのです。この根元の部分を変えていかないと、介護保険制度は遠くない時期に行き詰ってしまうのではないでしょうか。
 今の状況では「介護保険料を青天井で上げていく」か「介護保険サービスを使える人を極端に絞り込む」かの2択となってしまいます。国が「介護の社会化」という理念で制度を導入したのだから、ちゃんと国が責任を持つべきです。全体の費用のうち国の負担が25%しかないのは明らかに少なすぎます。私たち日本共産党は、国の負担割合を直ちに10%引き上げ、将来的には50%に引き上げることを提案しています。
 全国市長会も今年の予算要望として「将来にわたって都市自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう、国費負担割合を引き上げること」を求めています。稲城市も「適正な負担」と言うのではなく、少なくとも市長会と同じ立場に立つべきであると求めました。

3.保育園の待機児童対策について
①認可保育園の受入数の歳児別の増減について聞きます。
→以下の通りです。
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→申し込みの多い低年齢児の受入数の拡大について市内の保育園にお願いをしてきました。しかし、待機児童数は昨年度と同程度の数となることが見込まれています。
→待機児童対策は喫緊の課題として認識をしています。また、認可保育園に入れなかった家庭には一時預かり保育や認証保育所の案内など個々の事情に沿った丁寧な対応を行っていきます。
②「定期利用の一時預かり保育」の内容について聞きます。
→中島ゆうし保育園の一室を使い、1~2歳児を10人受け入れます。一年間の定期利用として、その都度の申込は必要ありません。フルタイムで働いている人を対象とする予定です。
→通常の定員拡大は難しく、一時預かりという形での受け入れとなりました。
→働いている保護者の状況に合わせた17時以降の預かりについては、保育園とも協議していきます。
③新規で開設する保育園への整備補助金について聞きます。
→2019年に開設予定の保育園への整備補助として、南山地区への新設分に7290万円、矢野口地区への新設分に2025万円を予定しています。そのうち、国庫補助金として南山地区は4860万円、矢野口地区は1350万円を見込んでいます。
→新たな保育所を整備していく上で、国の補助金などを有効に活用していくことが事業者の負担軽減にもなり、保育所等整備が円滑に進めていくために必要であると考えています。
<解説>
 保育園の待機児童問題は、昨年に引き続き深刻な実態です。以下の表は、日本共産党東京都議団が独自に調べた都内の自治体別の保育園の申込数と不承諾(入れなかった)数の集計です。市部の中で、申し込んだ人のうと4割が不承諾になっているのは、集計できた範囲では2市だけ、そのひとつが稲城市となっていて平均不承諾率も大きく上回っています。
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 この間、報告しているように市は2018年度から4年かけて認可保育園を11園増やす計画ですが、少なくとも今度の4月の保育園の入園に向けては最も要望のある0歳~2歳児は41人しか増えていません。緊急対策として一時預かり保育の新たな制度も導入する予定ですが、一時預かり保育については「正式な入園ではないので、園の行事に参加できない」「預かり時間が17時までと決まっていて、それ以上の延長ができない」「保育料が割高」などの声が寄せられています。質疑のやり取りの中で「保育時間の延長については協議をする」と答弁をしましたが、一時保育でしのいでいくのではなく、保育園の定員そのものを抜本的に増やしていくことが必要です。現在、待機児となっている家庭への丁寧な対応と、新たな保育園新設計画を早期に着実に実行させていくことが求められます。

4.子どもの居場所づくりについて
①「子ども居場所事業補助金」の内容について聞きます。
→平成13年から城山文化センターを拠点に中高生の子どもたちがくつろげる居場所づくりを行っている市民活動団体への補助金となっています。
②子どもたちの居場所づくりのための更なる補助や実態調査などを行うべきと考えるが認識を聞きます。
→中高生の居場所づくりとしては児童館で行っている中高生タイムや、各学校の体育館開放などを行っています。4月からは本郷児童館で中高生のために18時まで開館をすることを予定しています。現在のところは、補助事業としてはこれ以上の拡大は考えていません。
<解説>
 東京都が新年度予算の中で、「こども食堂」への補助事業を開始することを計画しています。市内でも子ども食堂や学習支援の無料塾など、子どもの居場所づくりについての取り組みが始まっています。現在の居場所事業は「中高生の居場所づくり」を目的にしていますが、今求められているのは「小学生からの居場所づくり」ではないでしょうか。ニーズ調査や実際の活動状況調査などについて、これからも求めていきます。

5.その他
①公民館の古くなったイスなどの備品の修繕や買い替えについて聞きます。
→修繕費として360万円を計上しました。
→利用者や公民館運営審議会などの意見を聞いて、必要な修繕や備品の購入を行っていきます。
②小中学校で消耗品の購入などに使う学校管理費の決め方について聞きます。
→最初に児童数や面積数などを基礎にした所定の計算様式を使って数字をだし、それを基に各学校と調整の上で消耗品費や燃料費などを決めていきます。
③燃料費などは一年分を使い切ったらそれ以上使えないというのでは教育環境としても良くないと思うが、柔軟な対応について認識を聞きます。
→天候などによって年度分の燃料費を使い切ってしまうこともありうるので、そういう場合は別の予算から必要な分を回すなどの対応を取っていきます。

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稲城市3月市議会一般質問報告3~飼い主のいない猫対策について~ [市議会]

一般質問の報告の3回目は、飼い主のいない猫対策についてです。

3.「飼い主のいない猫」と地域が共生するまちづくりについて
(1)国や都の動向について
①「動物の愛護及び管理に関する法律」の近年の改正状況や内容について聞きます。
→平成24年に改正され、動物が命を終えるまで適切に使用する「終生飼養」の責務が明記されたことや、猫をはじめとする愛度動物の殺傷や虐待等について罰則が強化されたことなどです。
→野良猫は、同法44条に規定されている愛護動物に含まれます。
②「東京都動物愛護管理推進計画(ハルスプラン)」の策定の経緯や位置づけについて聞きます。
→動物愛護法や東京都動物愛護条例に基づく計画であり、「人と動物との調和のとれた共生社会」の実現をめざし策定されたものです。
→同計画の「施策―3地域の飼い主のいない猫対策の拡充」の中の「(2)飼い主のいない猫対策の一層の推進」で掲げられている3つの項目は以下の通りです。
1.飼い主のいない猫対策が地域での対立を招く事を防止することなどを定めた「飼い主のいない猫対策の普及啓発」
2.飼い主のいない猫対策が猫の引き取り数減少に貢献していることもあり、その地域での推進などを定めた「地域における飼い主のいない猫対策の推進」
3.動物病院や動物愛護団体と連携する区市町村への支援の検討などを定めた「区市町村と動物愛護ボランティア等との連携の推進」
<解説>
 野犬対策が進む中で、「飼い主のいない猫」、いわゆるノラ猫への対応が注目をされるようになっています。実はノラ猫にとってこれまでの最大の天敵は、野良犬でした。野良犬が多かった時期は猫はそれほど目立ちませんでしたが、狂犬病予防の観点から飼い主の登録や保護などの対策が進み野良犬がほとんどいなくなると、天敵らしい天敵がいなくなっています。
 飼い主のいない猫のほとんどは元飼い猫だったのが、飼い主が飼養を放棄して屋外へと離してしまったり、避妊や去勢をしないで飼っていたために頭数が増えて管理できなくなったためにやはり屋外へ出てしまった猫たちが、子どもを産んで増えていったものです。飼い主のモラル向上と同時に、すでに存在している「飼い主のいない猫」と地域が共生をしていくまちづくりの進展を求めるその立場から質問しました。
 動物愛護法は、2012年に改正がされてちょうど今年に更なる見直しがされる予定です。前回の見直しでは愛護動物に対する虐待などへの罰則が強化をされたということです。また、保健所などによる動物の引き取り義務が制限をされたことも重要です。かつてのように、野良だからといってすぐに捕獲して一定期間を過ぎたら殺処分ということはしないし、できなくなりました。また、飼い主のいない猫も愛護動物に含まれるという事です。当然、そういった猫たちへの殺傷や虐待は明確な法律違反となるわけです。ノラ猫だからといって何をしても良いということでは無くて、動物愛護の精神から対応をしなくてはならないということです。
 また、東京都は動物愛護推進計画の中で、飼い主のいない猫に対する取り組みを示しています。これが都内の各地自治体にとって一つの指針になるわけです。殺処分ゼロについては以前から目標は持っていましたが、小池都知事が選挙の時などの公約に載せるなどしたために政策的にも重視をされるようになってきています。

(2)「飼い主のいない猫」に対する取り組みについて
①「飼い主のいない猫」に対する市の基本的な認識について聞きます。
→もともと飼い猫が捨てられたことで、これ以上増やさないために、飼い主が飼養三原則である「屋内使用の推奨」「不妊去勢手術の実施」「個体標識の装着」を徹底することが需要であると認識しています。
→動物愛護団体等と連携し、「殺処分がなくなること」を目指します。
②「飼い主のいない猫」対策としてこれまで行ってきた取り組みについて聞きます。
→市民から苦情や相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら聞き取りや掲示物の設置などの対策を行っています。
→ボランティア団体による活動経験や蓄積したノウハウに基づく取り組み手段などの助言を得ることは、大変重要なものであると認識しています。こういった活動を広く市民に周知する取り組みについては、他自治体の事例を参考にして研究していきます。
<解説>
 飼い主のいない猫への基本的な認識は、これ以上増やさないために、飼い主がしっかりとしてくださいというものです。それでは既にノラ猫状態になった猫たちをどうするのか?ということについて、なかなか思うような答えになりません。私はこの点に課題があるのだと思います。
 飼い主のいない猫に対して担当部署の職員の皆さんは丁寧に対応をしていただいています。ボランティアの人とも協力しながら個別の事案についてしっかり対応されているのですが、それが担当部署の中で留まっていて、市全体の政策的な方針や指針が定まっていないのではないでしょうか。(1)の②で取り上げたハルスプランの「飼い主のいない猫対策」の3つの項目「①飼い主のいない猫対策の普及啓発」「②対策の推進」「③行政とボランティア等とうの連携」を基本に据えるべきだと求めました。
 ボランティア団体の協力は市にとっても大変重要だという事です。稲城には、稲城動物愛の会というボランティア団体があり、日頃より飼い主のいない猫に関わって活動をされています。猫たちに餌やりをしながら、避妊や去勢手術を皆さんが自腹で行ってこれ以上猫が増えないように対策をしたり、保護した猫の譲渡活動なども行っています。自らも自宅で猫を飼うことで、猫の生態などにも詳しい知識を持たれています。こういったボランティア団体の活動をお手本として市民に広く周知するような取り組みも重要ではないかと対応を求めました。
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※我が家の猫も稲城動物愛の会が保護した猫を譲り受けました。

(3)「飼い主のいない猫」に対する餌やりについて
①「飼い主のいない猫」に対する餌やりについて認識を聞きます。
→不適正な餌やりをしないことが、重要であると認識しています。
→不適正な餌やりについては、いつでも食べられるように常時エサを置いておく「置きエサ」や「猫が食べ終わった後の清掃をしない」などです。
②市内における餌やりの状況について聞きます。
→市で把握しているのは、ボランティア団体が餌やりを実施している場所が27か所と聞いています。それ以外の餌やりについては、把握しておりません。
→「不適正な餌やり」は餌やりを是正し、適正な餌やりになるよう啓発を進めていく考えです。
→他自治体の取り組みでは、荒川区における「荒川区良好な生活環境の確保に関する条例」や京都市の「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」などがあり、不適正な餌やりなどによる周辺住民の生活環境に被害が生じる状態などを禁止する施策があります。
<解説>
 餌やりに関する答弁は大変重要なものでした。餌やり全般が問題だということではないということです。「適正な餌やり」と「不適正な餌やり」があって、不適正な餌やりをしない、させないことが重要だという事です。
「不適正な餌やり」の具体的な内容は「置きエサ」や「後片付けをしない」等とのことです。たしかに良くないです。あの辺に猫がいたなあと考えて、魚の切り身なんかをポンと放り投げておく。その後どうなったか確かめたりしないので、食べ散らかしたものがそのまま放置をされてしまうような状況です。猫の餌やりは定時定点で行い、決まった量をあげて無くなったら、そこで終わりにして後片付けをするというのが基本だということです。
「不適正な餌やり」を防止するために、いくつかの自治体ですでに取り組みがされているということです。ただ、この先行事例も試行錯誤がされています。
 12月21日付けの朝日新聞の記事ですが、京都市で野良猫に餌やりをしていた女性たちが男から餌やりをするなと怒鳴られるなどの住民トラブルになり裁判で餌やりを妨害した男の方に損害賠償を命じた。この背景には京都市のこの条例があって、条例で「不適正な餌やりの禁止」を定めたがその定義が分かりにくくて、餌やり禁止だけが独り歩きした。京都市は「餌やりを全面的に禁止したわけではなく、野良猫を減らしたいという思いだった。誤解を解いていきたい」としています。荒川区でも同じような状況があるという事です。
 飼い主のいない猫への餌やりというものを、どう捉えるのかという事です。地域猫活動アドバイザーの石森信雄さんという方がいます。練馬区の現役の職員で、練馬区保健所の動物担当課で飼い主のいない猫対策の制度設計を行った人です。この方は飼い主のいない猫のことは地域社会の課題として捉えようと言っています。すでに何らかの理由で野良猫となってしまった猫がいるけれど、その猫をすべて地域から追い出してしまったら解決になるか?ということです。ある地域から猫をすべて追い出しても、ちりぢりに近隣の地域に移るだけです。しかも放っておけば子どもを産んであっという間に数が増えてしまい、ある瞬間は地域から猫が一掃されるかもしれませんが、気が付けば倍の数になってまた戻ってくるというわけです。
 だからこそ定時定点の適正な餌やりをすることでその地域内の猫の数を把握し、一匹ずつ捕まえて避妊去勢をしてあげる。そうするとそれ以上頭数は増えなくて、自然と数が減っていく事になります。野良猫の寿命は3年~5年程度と言われています。適正管理をすることで状況が把握できて、自然と数が減少し、行政としても猫が増えすぎて殺処分せざる得ないということにならないですむ。これが、いわゆる「地域猫」と言われる活動です。
「地域猫」活動をしている人たちは猫がかわいいからとかかわいそうだからと言った一時的な感傷だけで餌やりをしているのではなく、適正管理をすることで猫が好きな人も嫌いな人も住みやすいような街づくりを願っている人たちなんだと捉えるべきではないでしょうか。

(4)「飼い主のいない猫」に対する今後の課題について
①「飼い主のいない猫」について市民の理解や関心を高める取り組みについて認識を聞きます。
→市としては飼い主が責任ある飼い方をする「終生飼養」の理解を進めていくことが大切であると考えています。
→餌やりについては、適切な餌やりと不適切な餌よりを容易に区別できない点が課題だと認識しています。今後は、不適正な餌やりを是正し、適正な餌やりになるよう啓発を進めていきます。方法としてはチラシや看板など啓発を行っており、合わせて市のホームページでも周知を図っています。
②「飼い主のいない猫」への対応として行政・地域・ボランティアが共同して取り組むことへの認識を聞きます。
→飼い主のいない猫と地域が共生していくために、「行政」「地域」「ボランティア」が協力して共に進めていくことが必要であり、引き続き連携していきます。
→市内のボランティア団体の皆さんとは、これまでも話し合いの機会を通じて、課題や対応方法などを共有していきます。今後も、同様に話し合いなどで情報を共有していきます。
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※飼い主のいない猫に関する市のホームページ
<解説>
 先ほど紹介した石森さんは地域猫活動への行政支援の具体例として、次の3つのをあげています。①去勢・不妊手術費用の助成、②自治会などの地域団体との調整、③広報やチラシでの「地域猫活動をお勧めします」という広報の3点です。そして、その中で最も重要なのは①の助成金ではなくて、③の行政広報だと言っています。自治体が「これがわが市の考えです」と広報すれば活動している人は「自分の活動は公共的なものです」と言えるようになる。ということです。
 餌やりについても不適正な餌やりは防止をして、適正な餌やり方法を行ってもらう必要がありますが、市民の中にはそもそもどれが不適正でどれが適正なのかについてまだまだ理解が広がっていないのではないでしょうか。
 ボランティア団体の稲城動物愛の会の方とお話しをすると、餌やりをしている時に近隣の人からクレームを言われたり、嫌がらせのような事を受けることがあるそうです。多くの人は説明をすればわかってくれたりするけれど、時には怖い思いをすることもあったとのことです。市民の中には、適切な方法で行われている餌やりについても「良くない事」だという誤解がまだまだあるのではないでしょうか。
 既に何らかの理由によって飼い主のいない状態となった猫が相当な数で存在をしています。既成市街地だけではなく、ニュータウン地域でも猫たちを見かけます。飼い主に対して啓発を行ってこれ以上の捨て猫を増やさないようにするのは当然ですが、現在地域にいる猫たちを放っておけばその猫がどんどん子どもを産んで増えていくだけです。これまでの対応を超えた取り組みが必要ではないでしょうか。これまで個別事例として担当部署が対応をされてきましたが、地域の課題の一つとして認識して統一的な方針づくりや施策の実施を行うべき時期だと考えます
 一件一件のケースに行政が対応していたら莫大なコストがかかってしまいますし、それをすべてボランティアに丸投げするものではありません。自治会なども含めた各地域の住民の皆さんと一緒に話し合いながら、より良い方法について検討をしていくことをこれかも求めていきます。

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稲城市3月市議会一般質問報告2~生活保護制度について~ [市議会]

2回目の報告は、生活保護制度について報告します。

2.生活保護費の削減ではなく、貧困を解決する生活保護制度に向けて
(1)生活保護制度の現状について
①直近の生活保護被保護者の世帯数と人員数を聞きます。
→平成30年1月末日現在で870世帯、1189人です。
→65歳以上の単身世帯は389世帯、夫婦ともに65歳以上の夫婦のみ世帯は61世帯、18歳未満の子どもがいる世帯は76世帯です。
→18歳未満の子どもの数は未就学児は21人、小中学生80人、それ以上の年齢が20人です。
②直近5年間の生活保護被保護者の世帯数と、生活保護費の推移について聞きます。
→表の通りです。
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→世帯の中で特に増えているのは高齢世帯です。保護費の中で特に増えているのは、主に医療扶助費の伸びが顕著となっています。高齢世帯が増えていることで、医療扶助費が増えています。
<解説>
 2018年10月に5年に1回の生活保護制度の見直しが予定されています。しかし、その内容は「見直し」とはほど遠い、保護費を大幅に削減する中身となっています。経済的な格差が拡大する中で、さらに貧困の連鎖を引き起こす生活保護費の削減に反対をし、憲法の理念のもとに生活を保障し貧困を解決する制度とするために、地方自治体として稲城市が役割を発揮していくことを求めて質問しました。
 現在の生活保護世帯870世帯のうち、一人暮らしの高齢者世帯が389で高齢夫婦世帯と合わせると450世帯です。生活保護世帯870の半分程度が高齢者だけの世帯だということです。基本的に高齢者が増えていて、特に医療扶助費の伸びが顕著だという事です。貧困状態になってしまった人たちの生活を保障していくためにどのような施策が求められるのかとなった時に、自立支援や就労援助などがあります。しかし、70歳や80歳を超えた方に働いて収入を得てくださいというのはもう難しいわけで、やはり生活をちゃんと保障するための生活保護制度をしっかりと確立していくことがなによりも重要になっていくのではないでしょうか。
 もう一つは18歳未満の子どもがいる世帯は76世帯で8%、1割にもなりません。私は昨年の6月議会、12月議会で「子どもの貧困」について一般質問しましたが、その時に議論したのが貧困率についてでした。国の「子どもの貧困対策に関する大綱」では18歳未満の子どもの相対的貧困率は16.3%と推計されている。その推計を稲城市に単純計算で当てはめると当時の18歳未満人口16,270人のうち2,652人が貧困状態となっていると推計がされるというものでした。2千人以上の子どもが貧困状態にあるはずなのに、実際に生活保護を受けている子どものいる世帯数は76世帯に留まっています。生活保護を受けられるはずの人が受けられていないのではないか?ということも課題になるのではないでしょうか。

(2)生活保護費の削減内容について
①2018年10月から実施が予定されている生活保護費の見直し内容について聞きます。
→生活扶助費の国費は、国庫負担金166億円の減となっています。母子加算、母子家庭で子ども1人の場合「平均約月2万1千円」から「平均約1万円」となる案が示されています。児童養育加算は、支給対象を「中学生まで」から「高校生まで」に対象を拡大し、「3歳未満等は月1万5千円」から「一律で月1万円」となる案が示されています。
→国の発表した資料による推計では生活扶助費が上がる世帯は26%、変わらない世帯は8%、下がる世帯は67%となっています。
②現在の被保護者の中で見直しによって影響を受ける世帯の数を聞きます。
→平成30年1月末時点で生活扶助を受けているのは764世帯、5億4251万円です。母子加算を受けているのは64世帯、152万円です。児童養育加算を受けているのは60世帯、100万円です。児童養育加算の中で3歳未満の子どもがいるのは9世帯、高校生の子どもがいるのは10世帯です。
③現在の被保護者に見直しの内容を当てはめた場合の、保護費全体の増減額について聞きます。
→国全体の見直し総額を直近の事業費に当てはめた場合、前年比1267万円(0,57%)減になると推計されます。
④現在の被保護者に見直しの内容を当てはめた場合に、保護費が増加する世帯と減少する世帯の数と平均増減額を聞きます。
→国から生活保護基準が示されていないために、詳細は不明です。見直し時期は平成30年10月の予定であるとなっており、生活保護を受けている人たちへの説明は被保護者の全世帯に通知を送付する予定です。
→平成25年の見直しの際には見直し時期が8月、生活保護基準が告示されたのが5月16日でした。
<解説>
 生活扶助費は全体で166億円減額、これから3年間で平均1.8%引き下げられるということです。一人親家庭に加算される母子加算は月額1万円以上の削減となり、子どものいる家庭に加算される児童養育加算は支給対象は拡大するが、3歳未満の子どもは月額5千円の削減となります。国は、これは「見直し」であり、増額となる世帯もあるんだと言っています。しかし、基本となる扶助費を削減し、さらにより困難な生活となっている一人親家庭の分を削減している。明らかな引き下げ計画そのものではないでしょうか。
 生活扶助費は生活保護870のうちの87%が受けているので、それだけの人たちが影響を受けるという事です。母子加算は64世帯が削減となり、児童養育加算は9世帯が削減で10世帯が増加となります。これだけでも「削減」という実態があらわになります。「見直し額」を単純計算で当てはめると、1267万円の削減となるということです。生活扶助を受けている764世帯でこの削減額を割ると、約1万6千円となります。生活扶助以外の母子加算や児童養育加算の増減もありますが、単純計算で生活扶助が年間1万円強の削減となるのではないでしょうか。
 年間1万円。これがどういった重みがあるのか。生活保護を受けている一人暮らしの高齢者の方にお話しを聞いたら、1日の食費は500円程度に抑えるようにしていると言われました。1食ではなく、1日分の3食を500円以内にして、月の食費はなるべく1万5千から2万円の範囲内に納めたいということでした。年間1万円の削減という事は、この方の半月分に相当する食費が無くなってしまうという、本当に大きな影響がある内容だという事は指摘しなくてはなりません。
 削減そのものも重大な問題ですが、その内容をちゃんと伝えるという事も重要です。手紙だけ送って「こうなりました」ではなく、丁寧な対応が求められると指摘しました。

(3)生活保護費削減が他の制度に与える影響について
①生活保護基準が所得条件の基準になっている低所得者向けの支援制度の数と名称を聞きます。
→国の事業では47事業、市単独の事業では40事業程度となります。
②生活保護費の削減が上記の制度に与える影響について聞きます。
→生活保護基準の見直しが与える影響については、報道発表による「国の制度については、生活保護基準額が減額となる場合に、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、出来る限り、その影響が及ばないよう対応することを基本的な考え方とする」となっています。
→市単独の事業については、具体的な生活保護基準が国から示されておらず、今後どのような影響があるから不明であることから、今後とも国の動向を注視してまいります。
<解説>
 生活保護の基準が所得条件の基準になっている制度はとして大きいのは就学援助や保育料の免除、住民税の非課税限度額などがあります。それ以外に市が自らの判断で行っている市単独の事業は約40件だということです。特に大きいのは、前回の12月議会の補正予算議案で支給時期の前倒しや支給額を増加した就学援助の準要保護児童への支給基準などが関わってきます。
 厚労省は1月19日の報道発表で「できるかぎり、その影響が及ばないように対応する」としています。そして、地方単独事業についても「その趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう依頼」するとしています。就学援助の準要保護児童への支給基準など生活に密接に結び付く市単独事業についても、厚労所の「対応方針」の趣旨に沿って「できる限り、その影響が及ばないように対応する」べきであると求めました。

(4)貧困を解決する「生活保障制度」の確立について
①直近の生活保護被保護者の保護率について聞きます。
→平成30年1月末現在で13‰、千人当たり約13人となっています。
→近隣自治体では日野市13‰、多摩市17‰、調布市13‰、府中市20‰など、保護率はほぼ同程度の市が多いものと考えています。
②生活保護被保護者の「捕捉率」について認識を聞きます。
→平成22年に国が実施した「生活保護基準未満の低所得世帯数の推計について」において、本来生活保護を受給できると推計された世帯のうち、実際に受給している世帯の割を示したものです。
→平成16年度全国消費実態調査に基づいた推計では捕捉率87%、平成19年度国民生活基礎調査に基づいた推計では捕捉率32%となっています。
③生活保護制度の広報や周知の状況について聞きます。
→ホームページにおいて制度の概要や申請までの手続きを掲載しています。
→本来利用できるのに利用していない人が多くいるか否かについては、正確な状況を把握することは困難であると認識しています。
④生活保護の申請窓口や申請後の対応を、申請者や被保護者の立場にたって丁寧に行うことについて認識を聞きます。
→機械的に保護申請書のやり取りを行うのではなく、制度の仕組みや権利・義務等といった制度全般について説明を行っていきます。
→「手持ち金」の扱いについて、相談者にわかりやすい、きめ細かい対応につい努めていきます。
→「親族の援助」については、扶養が保護適用の前提条件であるといった誤解を与えないよう、説明を行っていきます。
⑤市民の生活を保障し、貧困問題を解決していくことへの自治体としての役割について認識を聞きます。
→現在、国では「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する観点から、生活保護基準が適正な水準となるよう、専門的かつ科学的な見地から検証が行われております。今後も国が定める生活保護基準の動向を注視するとともに、基準が示された際にはそれに基づき、市として適切な生活保護制度の実施となるよう努めていきます。
<解説>
 2010年の民主党政権時代に当時の厚労省が生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人の割合、つまりは生活保護の利用率について推計をしています。これは画期的な調査でした。生活保護制度が貧困状況を解決するためにどの程度の役割を果たしているのかを可視化する物でした。
市は2つの数字を答弁しました。一つは全国消費実態調査を基にすると利用率は87.4%で高くなり、国民生活基礎調査では32%と低くなるということです。しかし、この答弁は少し足りない点があります。ここで言われた数字は住宅ローンの残っている家があるとか最低生活費を超える貯金があるなどの一定の資産を持っている人がいるであろうと仮定をした数字です。そういった仮定を除いて、純粋に生活保護基準を下回る収入しか得ていない世帯について推計をすると、消費実態調査では捕捉率が29.6%、生活基礎調査では15.3%となってしまいます。
 最も低い数字では生活保護の捕捉率は15%、本来生活保護を受けられる人の7人に1人程度しか受けていないという実態なのです。これは7年前の調査ですが、資料の最後に「今回と同様の調査を定期的に実施し、その動向を把握していく」と結ばれています。しかし、自民党へ政権交代がして以降、追加の調査はされていません。結果として、本来生活保護を受けられるのに受けられていない人が相当数にのぼっているはずなのに、その実態がまったく分からないままになっているのです。
 捕捉率については社会保障分野の研究者によって研究がされていて、概ね一致しているのは捕捉率は2割程度に留まっていて、諸外国に比べても生活保護の利用状況は極めて低い状況にあるということです。なぜ、低いのかについても議論がされていますが、原因として挙げられているのが「生活保護は恥だ」という意識や、生活保護に対するバッシングによって生活保護を申請することをためらってしまうということ。また、自分が生活保護を利用できることを知らず、年金があるからダメ、働いているからダメ、持ち家があるからダメなどと誤解して申請をしないということなど、だということです。こういったバッシングや誤解を解消するために、必要な広報や周知をすべきではないでしょうか。
 市のホームページになんて書いてあるのか。生活保護全般の説明と「病気や失業などにより収入や蓄えが無くなるなど、生活にお困りで生活保護をお考えの方は、生活福祉課までご相談ください。生活状況などをお聞きし、生活保護制度や年金など他制度の活用についてご案内いたします。生活保護の申請を希望される場合は、申請書類をお渡しします。なお、相談・申請には時間を要しますので、できるだけ電話などで事前に相談日時をご予約ください。」というだけです。どういう状況なら生活保護を受けられるのか、ほとんどわかりません。ここは、改善をしなくてはならいのではないでしょうか。
 近隣市の生活保護について説明するホームページを見ましたが、どこも似ているつくりにはなっていますが、例えば府中市は「生活保護のしおり」がPDFでダウンロードできるようになっています。また、日野市は収入があっても最低生活費に達していなければ生活保護が受けられるという事を図で解説しています。こういった他市の状況もふまえて、少なくとも収入や一定の資産があっても生活保護は受けられるという説明はホームページ上に明記をすべきであると求めました。
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※生活保護に関する市のホームページ

「手持ちの現預金」についての扱いも重要です。「手持ちのお金」はすべてゼロにしなければ、いわゆる「まる裸」の状態にならなければ生活保護が受けられないという誤解があるし、その点について説明がちゃんとされていないのではないかという事です。この点については、厚労省も明確な線引きを示していませんが、基準として明らかにしているのは「保護の開始の際に、基準額の5割を超える手持ち金があれば超えた分は収入として認定してその分は保護費を減らす」ということです。そもそも生活保護を申請される人はギリギリの生活を送っている人で、もし手持ちのお金をゼロにしたけど生活保護の申請が通らなかったら、本当に生活が立ち行かなくなってしまいます。この手持ち金の扱いについては、利用者の立場や実態に則した丁寧な説明や対応を求めました。
 貧困の対策として、早期の自立に向けた取り組みが大事だということです。しかし、前段で議論しましたが現在増えている生活保護世帯の多くは高齢者世帯です。
 例えば私の知っている方では、80代の男性がいます。大工さんとして50年間働いてきて年金の保険料も納めてきました。持ち家はありますが、預貯金がある理由で全額無くなってしまい、年金が月5万円のみという人です。5万円ではとても暮らしていけないということで、足りない分を生活保護で補っています。また、70代の女性はやはり40年以上様々な仕事をしてきましたが、一番長く働いた会社の経営者が実は年金の掛け金を全く払っていなかったということで、70歳を超えて無年金となってしまったために生活保護を受けています。
 こういった方々に今から自立をしてくださいといっても現実的ではありません。様々な事情によって貧困状態になってしまった方々の生活を保障して、暮らしを支えていくのが生活保護制度の役割ではないでしょうか。今回の生活保護の切り下げは国の方針として実施をされるものです。しかし市民の暮らしを守り、生活を支えていくのが地方自治体の大きな役割です。これからも、生活保護制度を本当の意味で生活を保障する制度へとなっていくことを求めていきます。

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